『その他の危険』 (背筋・斜線堂有紀他4名)_書評という名の読書感想文

『その他の危険』 背筋・斜線堂有紀他4名 新潮文庫 2026年8月1日 発行

この世界には知ってはいけないことがある。

恐怖はいつも、意外な場所からやってくる。

普段の帰り道、見慣れた職場、親しい友達。“それ“ はあなたの日常に身を潜めて待っている。突然会社に来なくなった同期の行方、あり得ない死に方をしたパパ活相手、タワマンで起きる常識外の現象、現実を侵食する存在しないはずの子供の遊び、大好きな先輩に隠された猛毒、同級生が死んだ後に学校で出回った人魂の噂。ホラー小説界を牽引する新たな才能たちが贈る恐怖のアンソロジー。(新潮文庫)

1. 箱の中身はなんだろな  背筋
2. 涸渇  斜線堂有紀
3. 枯れた街の上でも  上條一輝
4. まぎれ鬼  新名智
5. したたりの宮  皮肉屋文庫
6. ブルーライト  梨

かろうじて名前を知っていたのは、背筋さんと斜線堂有紀さんの二人だけ。だからというわけではないのですが、はじめの二作 「箱の中身はなんだろな」 と 「涸渇」 が強く印象に残りました。但し、他の4つについても個性があって捨てがたく、真夏の寝苦しい夜に読むにはもってこいの一冊でした。

さて、では 『その他の危険』 とは、いったいどんな 「危険」 を指すのでしょう? 「その他」 というからには、誰もがよく知る 「危険」 とは別物の、「意外な場所からやってくる」 - 人が今まで経験したことがないような、あるいは、気付かぬうちに (危険に) 晒されてしまうような・・・・・・・。怖いもの見たさで、覗いてみてはどうでしょう。

この本を読んでみてください係数 85/100

◆背筋 Sesuji
2023 (令和5) 年、小説投稿サイト 「カクヨム」 で連載していた作品をまとめた 『近畿地方のある場所について』 でデビュー。著書に 『穢れた聖地巡礼について』 『口に関するアンケート』 『目が』 がある。

◆斜線堂有紀 Shasendo Yuki
2016 (平成28) 年 『キネマ探偵カレイドミステリー』 で電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞してデビュー。著書に 『私が大好きな小説家を殺すまで』 『楽園とは探偵の不在なり』 『恋に至る病』 『回樹』など多数。

◆上條一輝 Kamijo Kazuki
1992 (平成4) 年、長野県生れ。早稲田大学卒。会社員の傍ら、webメディア 〈オモコロ〉 にて加味條名義でライターとして活動。2024 (令和6) 年 『深淵のテレパス』 で創元ホラー長編賞を受賞しデビュー。著書に 『ポルターガイストの囚人』 がある。

◆新名智 Niina Sstoshi
1992 (平成4) 年、長野県生れ。2021 (令和3) 年 『虚魚』 で横溝正史ミステリ&ホラー大賞 〈大賞〉 を受賞し、デビュー。著書に 『あさとほ』 『きみはサイコロを振らない』 『雷龍楼の殺人』 『霊感インテグレーション』 など。

◆皮肉屋文庫 Hinikuyabunko
X (旧Twitter) で数々の問わず語り怪談を発表する謎のホラー作家。そのクオリティの高さで注目を集め、2025 (令和7) 年、自身初となる著作 『夜警ども聞こえるか』 を刊行。

◆梨 Nothing
2022 (令和4) 年、『かわいそ笑』 でデビュー。「その怪文書を読みましたか」 「行方不明展」 「恐怖心展」 等展覧会の企画やイベント・テレビ番組の監修も手掛ける。著書に 『6』 『お前の死因にとびきりの恐怖を』 『霊媒クラブ』 『オブラートに包まれた怪談』 など。

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