『森は知っている』(吉田修一)_噂の 『太陽は動かない』 の前日譚

『森は知っている』吉田 修一 幻冬舎文庫 2017年8月5日初版

森は知っている (幻冬舎文庫)

南の島で知子ばあさんと暮らす十七歳の鷹野一彦。体育祭に興じ、初恋に胸を高鳴らせるような普通の高校生活だが、その裏ではある秘密組織の過酷な訓練を受けている。ある日、同じ境遇の親友・柳が一通の手紙を残して姿を消した。逃亡、裏切り、それとも - !? その行方を案じながらも、鷹野は訓練の最終テストとなる初ミッションに挑むが・・・・・。(幻冬舎文庫)

自分以外の人間は誰も信じるな - 子供の頃からそう言われ続けて育てられた。しかし、その言葉には、まだ逃げ道がある。たった一人、自分だけは信じていいのだ。ささやかでも確かな “希・・・・・

森は知っている [吉田修一

産業スパイ鷹野たかの 一彦を主人公に、命がけの情報戦が繰り広げられた太陽は動かない の続編にして前日譚 (たん)。南の島の緑の森がつくり出す濃厚な光と闇が少年を育む、切ない青春小説だ。
舞台は沖縄の南西にある島。鷹野は、一見普通のやんちゃな高校生のように日々を過ごしていた。転校生との淡い初恋も。だが、18歳になると組織の一員として本格的に働かなくてはならず、訓練も始まっていた。ある日、一足早く独り立ちした仲間が、組織を裏切ったと知らされ・・・・・・・。
鷹野の悲しい生いたちや、組織の成り立ちも明らかになる。本書だけでも楽しめるし、本書の後に前作を読んでも、読み応えは変わらない。
(WEBサイト 「好書好日」 より)

[情報]
吉田修一の小説 『太陽は動かない』 が、藤原竜也主演で映画&連続ドラマ化されることが決定。原作は、『怒り』 や 『悪人』 など映画化が後を絶たない吉田のスパイアクション小説、通称 “鷹野一彦” シリーズ三部作の 『太陽は動かない』 『森は知っている』 『ウォーターゲーム』。今回映画で描かれるのは太陽は動かない』 『森は知っているの2編で、連続ドラマでは原作者である吉田監修のもと構築されるオリジナルストーリーとなる。

映画:2020年5月全国ロードショー
連続ドラマ:2020年5月WOWOWにて放送
出演:藤原竜也、竹内涼真、佐藤浩市ほか  監督:羽住英一郎

※高校生・鷹野一彦の17歳の苦悩を描いたのが、本作 『森は知っている』。どうせ読むならこちらを先に読んでください。その方が絶対に面白い。

この本を読んでみてください係数  80/100

森は知っている (幻冬舎文庫)
太陽は動かない (幻冬舎文庫)

◆吉田 修一
1968年長崎県長崎市生まれ。
法政大学経営学部卒業。

作品 「最後の息子」「熱帯魚」「パレード」「パーク・ライフ」「悪人」「横道世之介」「平成猿蟹合戦図」「愛に乱暴」「怒り上・下」他多数

関連記事

『ベッドタイムアイズ』(山田詠美)_書評という名の読書感想文

『ベッドタイムアイズ』山田 詠美 河出書房新社 1985年11月25日初版 ベッドタイムアイズ

記事を読む

『テティスの逆鱗』(唯川恵)_書評という名の読書感想文

『テティスの逆鱗』唯川 恵 文春文庫 2014年2月10日第一刷 テティスの逆鱗 (文春文庫)

記事を読む

『緑の毒』桐野夏生_書評という名の読書感想文

『緑の毒』 桐野 夏生 角川文庫 2014年9月25日初版 緑の毒 (角川文庫) &nb

記事を読む

『岸辺の旅』(湯本香樹実)_書評という名の読書感想文

『岸辺の旅』湯本 香樹実 文春文庫 2012年8月10日第一刷 岸辺の旅 (文春文庫)

記事を読む

『ミート・ザ・ビート』(羽田圭介)_書評という名の読書感想文

『ミート・ザ・ビート』羽田 圭介 文春文庫 2015年9月10日第一刷 ミート・ザ・ビート (

記事を読む

『村上龍映画小説集』(村上龍)_書評という名の読書感想文

『村上龍映画小説集』村上 龍 講談社 1995年6月30日第一刷 村上龍映画小説集 (講談社文

記事を読む

『犯罪小説集』(吉田修一)_書評という名の読書感想文

『犯罪小説集』吉田 修一 角川文庫 2018年11月25日初版 犯罪小説集 (角川文庫)

記事を読む

『岬』(中上健次)_書評という名の読書感想文

『岬』中上 健次 文春文庫 1978年12月25日第一刷 岬 (文春文庫 な 4-1)

記事を読む

『ノースライト』(横山秀夫)_書評という名の読書感想文

『ノースライト』横山 秀夫 新潮社 2019年2月28日発行 ノースライト 一家はどこ

記事を読む

『検事の死命』(柚月裕子)_書評という名の読書感想文

『検事の死命』柚月 裕子 角川文庫 2019年6月5日8版 検事の死命 (角川文庫)

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

『サロメ』(原田マハ)_書評という名の読書感想文

『サロメ』原田 マハ 文春文庫 2020年5月10日第1刷 サ

『合理的にあり得ない』(柚月裕子)_書評という名の読書感想文

『合理的にあり得ない』柚月 裕子 講談社文庫 2020年5月15日第

『ただしくないひと、桜井さん』(滝田愛美)_書評という名の読書感想文

『ただしくないひと、桜井さん』滝田 愛美 新潮文庫 2020年5月1

『冬雷』(遠田潤子)_書評という名の読書感想文

『冬雷』遠田 潤子 創元推理文庫 2020年4月30日初版 冬

『猫を棄てる』(村上春樹)_父親について語るとき

『猫を棄てる 父親について語るとき』村上 春樹 文藝春秋 2020年

→もっと見る

  • 3 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
PAGE TOP ↑