『ジウⅢ 新世界秩序 NWO 』(誉田哲也)_書評という名の読書感想文
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『ジウⅢ 新世界秩序 NWO 』(誉田哲也), 作家別(は行), 書評(さ行), 誉田哲也
『ジウⅢ 新世界秩序 NWO 』誉田 哲也 中公文庫 2021年3月25日 改版発行
シリーズ累計320万部突破! すべてはこの三冊から始まった - (ジウ三部作完結編)

美咲と基子、二人の対照的な女性刑事が追う謎の犯罪者 「ジウ」。その裏には巨大な闇が潜んでいた - 。予想だにしない大事件が、歌舞伎町に降りかかる!
多数の死傷者を出した信金爆破事件。東と門倉美咲は事件の背後にジウの姿を認め、慄然とする・・・・・・・。一方、新宿駅前で街頭演説中の総理大臣がテロの標的となった。大混乱の中、伊崎基子らSAT隊員が総理の身柄を確保。だがそれは、さらなる悪夢の始まりだった。〈新世界秩序〉 を唱えるミヤジと、象徴の如く佇むジウの狙いとは!? (中公文庫)
いよいよ 〈ジウ〉 シリーズ三部作のフィナーレです。果たして、ミヤジらが主張する 「新世界秩序」 とは何なのか。その目的は? そしてジウの運命は・・・・・? 稀に見る怒濤のラストを心ゆくまで堪能ください。
本作 『ジウⅢ 新世界秩序』 は、壮大な三部作の大トリに位置する作品です。簡単にまとめるならば、今どきの女の子を地で行く心優しい門倉美咲と、格闘技の達人でドライな性格の伊崎基子、二人の女性警察官を中心に据えたダブルヒロインもので、彼女たちがいくつもの事件に立ち向かいながら、最終的に大きな陰謀と対峙する物語、ということになるでしょう。
といっても、有り体な女性バディものの形を採っていないのがこの作品の大きなポイント。美咲と基子がコンビで動くことはなく、むしろまったく異なる立場から頻発する事件にコミットしていくことになります。
シリーズの幕開けである 『ジウⅠ 警視庁特殊犯捜査係』 では、特殊犯捜査係 「SIT」 に所属していた美咲と基子。ところがある人質籠城事件において、失態を演じた美咲は所轄へ飛ばされ、逆に手柄をたてた形の基子は女性初の 「SAT (特殊急襲部隊)」 隊員に任命されます。
そもそも水と油のように対照的だった両名は、ここでキャリアを違えることになりますが、次々に発生する事件の背後に、ジウという中国人の少年、ミヤジと名乗る謎の人物、そして 「新世界秩序」 なる犯罪組織の存在を知り、それぞれの視点からこの大きな悪意に巻き込まれていきます。・・・・・・・と、およそこんなところが前作 『ジウⅡ 警視庁特殊急襲部隊』 までの大まかな流れ。
特筆すべきはなんと言っても敵役の描写で、ジウのミステリアスな人物造形、そして怪人ミヤジの生い立ちを描いたサイドストーリーは、それだけで惹き込まれること請け合い。優れた勧善懲悪のエンタテインメントに魅力的なラスボスは不可欠ですが、生まれながらに戸籍を持たない黒孩子 (ヘイハイズ) という出自に加え、アイドルばりの美形と冷酷性を兼ね備えたジウは、その内面が一切描かれないことも手伝って、底の知れないモンスターとして暗躍します。(解説より)
この作品で 〈ジウ〉 とはお別れですが、話はまだまだ続きます。街に次なる事件が起こるのは、ミヤジとジウの騒動から数年後。彼らに代わる正体不明の “悪党“ が登場し、伝説のダークヒーロー “歌舞伎町セブン“ がそれと対峙します。基本警察は蚊帳の外。彼らとて、闇深き歌舞伎町の裏の裏までは見通すことができません。
※この後、シリーズは 『国境事変 〈ジウ〉 サーガ4』 『ハング 〈ジウ〉 サーガ5』 と続き、“歌舞伎町セブン“ が登場するのは6巻目 『歌舞伎町セブン 〈ジウ〉 サーガ6』 になります。4と5はちょっとした変化球 - と思ってください。大丈夫、これまでにも、この先にもしっかり繋がっています。何ならこっちの方が面白い、かもしれません。
この本を読んでみてください係数 85/100

◆誉田 哲也
1969年東京都生まれ。
学習院大学経済学部経営学科卒業。
作品 「妖の華」「アクセス」「ストロベリーナイト」「ハング」「あなたが愛した記憶」「背中の蜘蛛」「主よ、永遠の休息を」「レイジ」「ジウ」シリ-ズ「もう、聞こえない」他多数
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