『俺たちは神じゃない/麻布中央病院外科』(中山祐次郎)_書評という名の読書感想文

『俺たちは神じゃない/麻布中央病院外科』中山 祐次郎 新潮文庫 2024年11月25日 6刷

最強の外科医コンビ、誕生! 40万部突破! 泣くな研修医 シリーズ著者の最新作

国会議員のロボット手術中に訪れた危機とは -

剣崎啓介は腕利きとして知られる中堅外科医。そんな彼が頼りにするのが松島直武だ。生真面目な剣崎と陽気な関西人の松島。ふたりはオペで絶妙な呼吸をみせる。院長から国会議員の癌切除を依頼された剣崎は、松島を助手に得意なロボット手術を進める。だが、その行く手にはある危機が待ち受けていた - 。現役外科医が総合病院で日夜起こるドラマをリアルに描く、医学エンターテインメント。(新潮文庫)

[目次]
第一章 大出血
第二章 俺たちは神じゃない
第三章 コードブルー
第四章 ロボット手術、二つの危機
エピローグ
あとがき

物語の主人公・剣崎啓介にとって唯一無二、最強のバディが同じ外科医の松島直武でした。剣崎がヒーローと呼ぶ松島は、一見天下無双、怖いものなしの、ある意味 “医者らしからぬ医者“ です。遠慮なく話す松島は関西弁で、生真面目一方の剣崎とは違い、誰に対しても分け隔てなく、まるで親しい人のように接します。

著者は何より剣崎と松島の、二人の “関係“ こそを描きたかったのだろうと。これは 「あとがき」 の最後の最後でわかるのですが、その理由を知ると、この本に籠めた著者の思いがいかばかりか強かったであろうことを知ることになります。

実は私は、本作の次に出た 『救いたくない命俺たちは神じゃない2』 を先に読んでいます。そして、申し訳ないのですが、主人公の剣崎よりも、むしろバディの松島のファンになりました。松島は、あの俳優の 「桐谷健太」 のイメージにとてもよく似ています。

参考:二人のプロフィール

剣崎啓介 (けんざき・けいすけ)

39歳、15年目の外科医。敬愛会麻布中央病院に勤務。神奈川のサラリーマン家庭出身で、東大医学部卒。大腸癌のプロフェッショナルで手技のレベルは高く、腹腔鏡手術やロボット手術も得意とする。生真面目な性格で悩みがち。

松島直武 (まつしま・なおたけ)

40歳。剣崎の医師同期で同僚。関西の医者一族に育ち、大阪の私立医大卒。様々な病院で経験を積んでおり、危機対応能力が高い。陽気な性格で周囲の空気を和ませるが、一本気なところも。愛称は “まっちゃん“ 。 

※現役の外科医が著者のリアルな手術の光景は、(繰り返し似た経験のある私にしてみれば) 身につまされて余りあるものでした。施術にかかる専門用語が飛び交いますが、そこは想像とニュアンスで乗り越えて、その場の空気、緊迫感こそを味わえばと。それで十分だと思います。

この本を読んでみてください係数 85/100

◆中山 祐次郎

1980年神奈川県生まれ。鹿児島大学医学部卒。京都大学大学院で公衆衛生学修士を、福島県立医科大学大学院で医学博士を取得。湘南医療大学臨床教授。消化器外科、とくに大腸癌のプロフェッショナルとして診察と執刀を行う傍ら、執筆を続ける。

作品「医者の本音」「それでも君は医者になるのか」「医者の父が息子に綴る 人生の扉を開く鍵」「泣くな研修医」「救いたくない命/俺たちは神じゃない2」など

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