『曼珠沙華』(宮部みゆき)_書評という名の読書感想文

『曼珠沙華』宮部 みゆき 角川文庫 2024年6月15日 再版発行

あなたの時間を少しだけ、小説とともに。いつもより大きな文字で届ける厳選名作。人情の深さに触れる100分間。

あの花のあいだから、ときどき、人の顔が覗くんですよ。

江戸で三本の指に入る袋物屋 「三島屋」 に奉公する17歳のおちか。ある出来事から誰にも心を許すことができなくなり、叔父夫婦の店で黙々と働く日々を送る。ある時叔父の留守をあずかるおちかに客人は、曼珠沙華が咲く庭を見やりながら、自身が経験した不思議な因縁話を語りだす。こわばった心がほどけていく、宮部みゆき流百物語、ここに開幕。(角川文庫)

私は何も知らずに読み終えたのですが、これは著者によるホラー時代小説 『三島屋変調百物語』シリーズの第一作 『おそろし 三島屋変調百物語事始』 の中の一話を再編集したものであるらしい。(ちなみに2023年時点でシリーズ累計発行部数は300万部を突破している人気作品で、TVドラマ化もされているとのこと)

あらすじ

川崎宿の旅籠の娘・おちかは、とある事情から江戸で袋物屋 「三島屋」 を営む叔父夫婦の元へ行儀見習いとして身を寄せている。叔父の伊兵衛は、実家に帰れないおちかに花嫁修業をさせて嫁に出すつもりでいたが、おちかは女中として忙しく働くことで自らの過去を頭の隅へと追いやろうとしていた。

ある日、伊兵衛が急な所用のため、訪問が予定されていた客への対応をおちかに任せて外出してしまう。他人に心を閉ざしているおちかは不安に駆られるが、自分を信用してくれた叔父のためにも、客に非礼があってはならないと覚悟を決める。

客は、庭に咲く曼珠沙華に恐れおののくが、おちかに対して自分の過去にまつわる怪をぽつり、ぽつりと話し始める。(後略/wikipediaより)

と、本書はここで (客がする話だけで)終わっています。つまりは、話は途中までということで、いかにも中途半端で尻切れトンボみたいな終わり方に我慢がならず、結末が知りたくて仕方ないのですが、そういう方は、あらためて、

角川書店あるいは角川文庫の 『おそろし 三島屋変調百物語事始 (ことはじめ)』 をお読みください、ということなんだろうと。(尚、収録作品は 「曼珠沙華」 の他に 「凶宅」 「邪恋」 「魔鏡」 「家鳴り」 となっています)

※「帰宅後、おちかから事の顛末を聞いた伊兵衛は、江戸中から不思議な話を集めるとして、おちかにその聞き役を務めるように言い渡す。」- シリーズは、(おそらく) そんな風に始まっていくようです。読んでないので、確かなことはわかりませんが。

この本を読んでみてください係数 80/100

◆宮部 みゆき
1960年東京都江東区生まれ。
東京都立墨田川高等学校卒業。

作品 「我らが隣人の犯罪」「火車」「蒲生邸事件」「理由」「模倣犯」「名もなき毒」「過ぎ去りし王国の城」「今夜は眠れない」他多数

関連記事

『家系図カッター』(増田セバスチャン)_書評という名の読書感想文

『家系図カッター』増田 セバスチャン 角川文庫 2016年4月25日初版 料理もせず子育てに無

記事を読む

『月魚』(三浦しをん)_書評という名の読書感想文

『月魚』三浦 しをん 角川文庫 2004年5月25日初版 古書店 『無窮堂』 の若き当主、真志喜と

記事を読む

『ミーツ・ガール』(朝香式)_書評という名の読書感想文

『ミーツ・ガール』朝香 式 新潮文庫 2019年8月1日発行 この肉女を、なんとか

記事を読む

『編めば編むほどわたしはわたしになっていった』(三國万里子)_書評という名の読書感想文

『編めば編むほどわたしはわたしになっていった』三國 万里子 新潮文庫 2025年6月1日 発行

記事を読む

『また、同じ夢を見ていた』(住野よる)_書評という名の読書感想文

『また、同じ夢を見ていた』住野 よる 双葉文庫 2018年7月15日第一刷 きっと誰にでも 「やり

記事を読む

『虫娘』(井上荒野)_書評という名の読書感想文

『虫娘』井上 荒野 小学館文庫 2017年2月12日初版 四月の雪の日。あの夜、シェアハウスで開か

記事を読む

『強欲な羊』(美輪和音)_書評という名の読書感想文

『強欲な羊』美輪 和音 創元推理文庫 2020年4月17日7刷 第7回ミステリーズ

記事を読む

『火車』(宮部みゆき)_書評という名の読書感想文

『火車』宮部 みゆき 新潮文庫 2020年5月10日87刷 ミステリー20年間の第1

記事を読む

『窓の魚』(西加奈子)_書評という名の読書感想文

『窓の魚』西 加奈子 新潮文庫 2011年1月1日発行 温泉宿で一夜をすごす、2組の恋人たち。

記事を読む

『彼女が最後に見たものは』(まさきとしか)_書評という名の読書感想文

『彼女が最後に見たものは』まさき としか 小学館文庫 2021年12月12日初版第1刷

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

『月島慕情』(浅田次郎)_書評という名の読書感想文

『月島慕情』浅田 次郎 講談社文庫 2026年3月13日 第1刷発行

『黒 石 (ヘイシ) 新宿鮫12』(大沢在昌)_書評という名の読書感想文

『黒 石 (ヘイシ) 新宿鮫12』大沢 在昌 光文社文庫 2026年

『母という呪縛 娘という牢獄』(齊藤彩)_書評という名の読書感想文

『母という呪縛 娘という牢獄』齊藤 彩 講談社文庫 2026年3月1

『令和元年の人生ゲーム』(麻布競馬場)_書評という名の読書感想文

『令和元年の人生ゲーム』麻布競馬場 文春文庫 2026年3月10日

『14歳までの犯罪』(畑野智美)_書評という名の読書感想文

『14歳までの犯罪』畑野 智美 角川文庫 2026年2月25日 初版

→もっと見る

  • 3 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
PAGE TOP ↑