『月島慕情』(浅田次郎)_書評という名の読書感想文

『月島慕情』浅田 次郎 講談社文庫 2026年3月13日 第1刷発行

吉原から月島へ。それは天から降り落ちてきたような幸せだった

涙なくして読めない浅田次郎の真骨頂 七編の、愛と信念の物語

ふるさとの村から売られて吉原で華魁となったミノ。惚れた男に嫁ぐことになり、月島を訪れる (「月島慕情」)。離婚した元夫が亡くなったとの知らせに、二十年ぶりにかつての家を訪ねた初江を待っていたのは (「供物」)。幸福だけではない人生を、優しさや信念を失わずに生きる人々の強さと美しさを描いた傑作。(講談社文庫)

時々、こんな話を無性に読みたくなることがあります。ちょっと気弱になった時、心が折れそうになった時、優しく慰められたいと思う時などにはもってこいの本です。歳を取ったのだと思います。そっと 「それでよかったんだよ」 と、誰かに言ってもらいたいのかも知れません。

(目 次)
月島慕情
供物
雪鰻
インセクト
冬の星座
めぐりあい
シューシャインボーイ

※泣いた (泣かされた) のは最初と最後、「月島慕情」 と 「シューシャインボーイ」 でした。

はじめて行った月島で、偶然ミノが出会った子どもに泣かされました。「シューシャインボーイ」 では、ガード下で九十を過ぎた今も靴磨きをしている菊治さんに泣きました。

この本を読んでみてください係数 85/100

◆浅田 次郎
1951年東京都中野区生まれ。
中央大学杉並高等学校卒業。

作品 「地下鉄に乗って」「鉄道員」「壬生義士伝」「お腹召しませ」「中原の虹」「帰郷」「獅子吼」他多数

関連記事

『テティスの逆鱗』(唯川恵)_書評という名の読書感想文

『テティスの逆鱗』唯川 恵 文春文庫 2014年2月10日第一刷 女優・西嶋條子の "売り" は

記事を読む

『ホテル・アイリス』(小川洋子)_書評という名の読書感想文

『ホテル・アイリス』小川 洋子 幻冬舎文庫 1998年8月25日初版 これは小川洋子が書いた、ま

記事を読む

『箱庭図書館』(乙一)_書評という名の読書感想文

『箱庭図書館』乙一 集英社文庫 2013年11月25日第一刷 僕が小説を書くようになったのには、心

記事を読む

『天使が怪獣になる前に』(山田悠介)_書評という名の読書感想文

『天使が怪獣になる前に』山田 悠介 文芸社文庫 2015年2月15日初版 中高生にダントツの

記事を読む

『砕かれた鍵』(逢坂剛)_書評という名の読書感想文

『砕かれた鍵』逢坂 剛 集英社 1992年6月25日第一刷 『百舌の叫ぶ夜』『幻の翼』に続くシリ

記事を読む

『半島へ』(稲葉真弓)_書評という名の読書感想文

『半島へ』稲葉 真弓 講談社文芸文庫 2024年9月10日 第1刷発行 親友の自死、元不倫相

記事を読む

『地雷グリコ』(青崎有吾)_書評という名の読書感想文 

『地雷グリコ』青崎 有吾 角川書店 2024年6月20日 8版発行 第24回 本格ミステリ大

記事を読む

『薄情』(絲山秋子)_書評という名の読書感想文

『薄情』絲山 秋子 河出文庫 2018年7月20日初版 地方都市に暮らす宇田川静生は、他者への深入

記事を読む

『抱く女』(桐野夏生)_書評という名の読書感想文

『抱く女』桐野 夏生 新潮文庫 2018年9月1日発行 女は男の従属物じゃない - 。1972年、

記事を読む

『裏アカ』(大石圭)_書評という名の読書感想文

『裏アカ』大石 圭 徳間文庫 2020年5月15日初刷 青山のアパレルショップ店長

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

『月ぬ走いや、馬ぬ走い (ちちぬはいや、うんまぬはい)』 (豊永浩平)_書評という名の読書感想文

『月ぬ走いや、馬ぬ走い (ちちぬはいや、うんまぬはい)』 豊永 浩平

『水車小屋のネネ』 (津村記久子)_書評という名の読書感想文

『水車小屋のネネ』 津村 記久子 毎日文庫 2026年4月25日 発

『それは誠』(乗代雄介)_書評という名の読書感想文

『それは誠』乗代 雄介 文春文庫 2026年4月10日 第1刷

『けんちゃん』 (こだま)_書評という名の読書感想文

『けんちゃん』 こだま 扶桑社 2026年1月20日 初版第1刷発行

『ジャクソンひとり』 (安堂ホセ)_書評という名の読書感想文

『ジャクソンひとり』 安堂 ホセ 河出文庫 2025年5月20日 初

→もっと見る

  • 3 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
PAGE TOP ↑