『ツユクサナツコの一生』(益田ミリ)_書評という名の読書感想文
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『ツユクサナツコの一生』(益田ミリ), 作家別(ま行), 書評(た行), 益田ミリ
『ツユクサナツコの一生』益田 ミリ 新潮文庫 2026年5月1日 発行
32歳・漫画家志望のナツコは 「いま」を描き続ける。一度きりの人生の、その美しさを信じているから。

ひたむきで 小さな花のように 愛おしい 一人の女性のものがたり
ドーナツ屋で働きながら創作活動を続ける32歳・漫画家志望のナツコ。モヤモヤすることも、ふと立ち止まって考えたくなることも、誰かにとっては些細な日常も、どれも大切な 「いま」 だからナツコは今夜もひとり漫画を描く。一度きりの人生の、その美しさを信じているから - 。大切なものを手放さないで生きていくナツコの生き方が深い共感を呼ぶ第28回手塚治虫文化賞短編賞受賞の感動作。(新潮文庫)
朝刊の書評欄で知り、その日のうちに買いに行きました。但し、これは小説ではありません。丸々一冊 “漫画“ です。
日々の些細な出来事や経験を題材に、(自分の) できる範囲で無理をせず、夜毎こつこつ “地味な漫画“ を描き続けるナツコの生き方が、なぜこんなにも共感を呼ぶのでしょう? 日常の 「あるある」 を描いている作品は他にもたくさんあるだろうに、ナツコの一生の、どこがよくて “受賞“ なんでしょう。
薬でいうと、すぐに効く “特効薬“ ではなくて、あとからじわじわ効いてくる “漢方薬“ のような作品、とでもいえばよいのでしょうか。意味がありそうな、なさそうな - そんな話が中にあったとしても、すぐに結果を求めてはいけません。じんわり、ゆるゆると、一息ついてからまた読んでみてください。何か気づくことがあるかもしれません。そのうち “常備薬“ みたいになったりして。
この本を読んでみてください係数 85/100

◆益田 ミリ
1969年大阪生まれ。イラストレーター。
2024年、『ツユクサナツコ』 で手塚治虫文化賞短編賞を受賞。漫画 『すーちゃん』 『沢村さん家のこんな毎日』 『僕の姉ちゃん』 『こはる日記』 『スナック キズツキ』、エッセイ 『永遠のおでかけ』 『しあわせしりとり』 『おとな小学生』、小説 『アンナの土星』 『五年前の忘れ物』 など著書多数。
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