『けんぐゎい』 (朝倉かすみ)_書評という名の読書感想文
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『けんぐゎい』 (朝倉かすみ), 作家別(あ行), 書評(か行), 朝倉かすみ
『けんぐゎい』 朝倉 かすみ 光文社 2026年4月30日 初版第1刷発行
話題作 『平場の月』 著者初の時代小説は、あまりにもエモーショナル! こんなにもエンターテインメント!

おまえは一生外側にいるしかないんだ うずくまって生きてきた痘痕 (あばた) の娘。圏外を彷徨う女たちを率いて、江戸に 「夢の国」 をつくる。
利発だが酷い痘痕の姉ふゆ。逆上 (のぼ) せ癖で縹緻 (きりよう) よしの妹りよ。幼くして父を亡くし、ふゆは手習い師匠の手伝いに、りよは船宿の下女奉公に出された。師匠の養子で禍々しいほどに歪んだ性癖を持つ宗三郎から手籠めにされたふゆは懐妊するが、現人神と崇められる女医者と出会い、彼女の人生は大きく変わっていく。自我に目覚めた主人公が、女の生と向き合う、時代小説の新しい扉。(光文社)
第一章 ウニコール
第二章 りんぼ
第三章 ガストホイス
第四章 くゎいぶつ
初めて書店で見た時、いずれ私はきっとこの本を買うだろうと。そんな予感があったのですが、あれよあれよという間に日が経つうちに、ああやっぱりそうなんだと - 第175回の直木賞候補作になりました。だから言わんこっちゃない。受賞するかどうかはわかりませんが、発表までには何としても読んでおきたいと思いました。
まさか時代劇とは。しかも徹頭徹尾、社会的弱者としての 「女」 が描かれています。巻末の 「参考資料」 の多さとその徹底ぶりに、(本作にかける) 著者の並々ならぬ決意が窺えるようで、特に後半、ふゆがガストホイスを立ち上げるくだりは疾風怒濤の如く話は展開し、読み出した当初とはまるで違う空気の、虐げられてきた女たちが新たな世界へ踏み出す様子が力強く鮮やかに描かれています。
ふゆがそうならりよも、つるもかめも。およそ 「けんぐゎい」 と呼ばれて蔑まれてきた女たちすべてが立ち上がる。「これが、あたしたちの持って生まれた味ってことで、いいのじゃないかえ」 と。 〈ウニコ~~~ル〉
この本を読んでみてください係数 85/100

◆朝倉 かすみ
1960年北海道小樽市生まれ。
北海道武蔵女子短期大学教養学科卒業。
作品 「肝、焼ける」「田村はまだか」「夏目家順路」「玩具の言い分」「ロコモーション」「恋に焦がれて吉田の上京」「満潮」「平場の月」「にぎやかな落日」「棺桶も花もいらない」他多数
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