『ラメルノエリキサ』(渡辺優)_書評という名の読書感想文

『ラメルノエリキサ』渡辺 優 集英社文庫 2018年2月25日第一刷


ラメルノエリキサ (集英社文庫)

「お前絶対ぶっ殺すからな! 」 女子高生・小峰りなは、夜道で背中を切られながらも、逃げる人影に叫んだ。退院後、りなは犯人を探すが、糸口は「ラメルノエリキサ」という犯人が残した謎の言葉のみ。そんな中、新たな通り魔事件が起こる。二つの事件を結ぶのはりなの元カレで!? 完璧な母親に苛立ち、犯人への復讐に異常なまでの執念を燃やす少女が疾走する青春小説。第28回小説すばる新人賞受賞作。(集英社文庫)

やられたら絶対やり返す。なんて不謹慎な小説! 」- 帯にあるこんな台詞に誘われて読んでみようと。

小説すばる新人賞の選考会では、(選考委員の) 宮部みゆきが 「私はこの作品と心中します」 とまで言ったそうな。それを受け、(解説では) 池上冬樹氏が 「それほど読む者を夢中にさせる面白さがある」 と述べています。

が、しかし。それはまあ置くとして。

気になるのは、ラメルノエリキサ(!?)ということば - これはいったい何のことだろうと。

何物かを表す一続きの単語? それともどこかで区切って読むのかしら? 例えば、ラメルノ・エリキサとか、ラ・メルノエ・リキサとか、ラメルノエ・リキサであるとか・・・・・・・

凶行に及んだまさにその時、りなに向かって犯人は、

ラメルノエリキサのためなんです、すみません」- という言葉を残します。

※この小説が評価されたのは、ひとえに、主人公である「小峰りな」という女子高生にあります。常識を無視した倫理観。彼女は、やられたらやり返さずにはいられません。あらゆる角度で被ったダメージの量を分析、それ相応に「復讐する」のを善しとしています。

- の割には暗くも陰湿でもなく、いやに正々堂々としています。自分の性格をそうだと言って憚らず、それでいていまどきの女子高生らしくもあります。彼女の言動が、他になくハードボイルドなのがいいということなのですが・・・・・・・

私にはピンときませんでした。みなさんは、どうなのでしょう。

 

この本を読んでみてください係数  75/100


ラメルノエリキサ (集英社文庫)

◆渡辺 優
1987年宮城県仙台市生まれ。宮城学院女子大学国際文化学科卒業。

作品 2015年 「ラメルノエリキサ」 で第28回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。他に「自由なサメと人間たちの夢」「地下にうごめく星」

関連記事

『冷蔵庫を抱きしめて』(荻原浩)_書評という名の読書感想文

『冷蔵庫を抱きしめて』荻原 浩 新潮文庫 2017年10月1日発行 冷蔵庫を抱きしめて (新潮

記事を読む

『リリアン』(岸政彦)_書評という名の読書感想文

『リリアン』岸 政彦 新潮社 2021年2月25日発行 リリアン 街外れで暮らすジャズ

記事を読む

『ロコモーション』(朝倉かすみ)_書評という名の読書感想文

『ロコモーション』朝倉 かすみ 光文社文庫 2012年1月20日第一刷 ロコモーション (光文

記事を読む

『リバース&リバース』(奥田亜希子)_書評という名の読書感想文

『リバース&リバース』奥田 亜希子 新潮文庫 2021年4月1日発行 リバース&リバース(新

記事を読む

『輪 RINKAI 廻』(明野照葉)_書評という名の読書感想文

『輪 RINKAI 廻』明野 照葉 文春文庫 2003年11月10日第1刷 輪(RINKAI

記事を読む

『自由なサメと人間たちの夢』(渡辺優)_書評という名の読書感想文

『自由なサメと人間たちの夢』渡辺 優 集英社文庫 2019年1月25日第一刷 自由なサメと人

記事を読む

『路上のX』(桐野夏生)_書評という名の読書感想文

『路上のX』桐野 夏生 朝日新聞出版 2018年2月28日第一刷 路上のX こんなに叫ん

記事を読む

『ラブレス』(桜木紫乃)_書評という名の感想文

『ラブレス』 桜木 紫乃  新潮文庫 2013年12月1日発行 @630  

記事を読む

『らんちう』(赤松利市)_書評という名の読書感想文

『らんちう』赤松 利市 双葉社 2018年11月25日第一刷 らんちう 「犯人はここにい

記事を読む

『連続殺人鬼カエル男ふたたび』(中山七里)_書評という名の読書感想文

『連続殺人鬼カエル男ふたたび』中山 七里 宝島社文庫 2019年4月18日第1刷 連続殺人鬼

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

『生命式』(村田沙耶香)_書評という名の読書感想文

『生命式』村田 沙耶香 河出文庫 2022年5月20日初版発行

『中尉』(古処誠二)_書評という名の読書感想文

『中尉』古処 誠二 角川文庫 2017年7月25日初版発行

『犬のかたちをしているもの』(高瀬隼子)_書評という名の読書感想文

『犬のかたちをしているもの』高瀬 隼子 集英社文庫 2022年9月1

『殺人者』(望月諒子)_書評という名の読書感想文

『殺人者』望月 諒子 新潮文庫 2022年11月1日発行

『緑の我が家』(小野不由美)_書評という名の読書感想文

『緑の我が家』小野 不由美 角川文庫 2022年10月25日初版発行

→もっと見る

  • 3 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
PAGE TOP ↑