『初めて彼を買った日』(石田衣良)_書評という名の読書感想文
公開日:
:
最終更新日:2024/01/07
『初めて彼を買った日』(石田衣良), 作家別(あ行), 書評(は行), 石田衣良
『初めて彼を買った日』石田 衣良 講談社文庫 2021年1月15日第1刷
もうすぐ28歳の誕生日を迎える瑞穂は、親友の里香からプレゼント代わりにあるカードをもらう。それは 「クラブ・パッション」 というボーイズクラブのカード。若い男の子が、1時間1万円で何でもしてくれるらしい。瑞穂は女性にとっての最高の年齢を27歳だと思いこんでいた。ところがその1年間をセックスどころかキスさえ1度もせずにあと10日で終えようとしているのだった。瑞穂は迷った末にクラブ・パッションに連絡し、ビルの高層階のレストランで相手を待った。現れたのはリョウという、大学生くらいの清潔感のある男の子だった・・・・・。大人気 『娼年』 シリーズのプレストーリーとなる表題作を含む8編を収めた、セックスにまつわる愉悦の世界を美しく楽しむための魅惑の短編集! (講談社BOOK倶楽部)
目次
七回目のデート
ひとつになるまでの時間
遠花火
ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
チェリー
黒髪クラブ
初めて彼を買った日
あの静かで特別な夏
セックスにまつわる8つの物語。倒錯、童貞、近親、そして女が男を買う - 。ありそうでなさそうな。なさそうで、ほんとは結構ありそうな、そんな話ばかりが書いてあります。
内容を詳しく書くのは差し控えたいと思います。というか、とてもじゃないですが、私なんかには (本に書いてあるようには) 書けません。
男性の側からも、女性の側からも、あからさまにはできない性の話 が書いてあります。上品に、美しく、その上きわめてエロティックに。 (第二話に登場する夫婦のエロさといったらありません。いくら仲が良いからといって、普通ああはなりません! )
そして、みなさんに申し上げておきます。間違っても電車やバスの中などでは読まないように。誤解を招くおそれがあります。
この本を読んでみてください係数 80/100
◆石田 衣良
1960年東京都江戸川区生まれ。
成蹊大学経済学部卒業。
作品「池袋ウエストゲートパーク」「北斗/ある殺人者の回心」「娼年」「骨音」「4TEEN」「眠れぬ真珠」「余命1年のスタリオン」「水を抱く」他多数
関連記事
-
『雨の夜、夜行列車に』(赤川次郎)_書評という名の読書感想文
『雨の夜、夜行列車に』赤川 次郎 角川文庫 2017年1月25日初版 「今夜、九時の列車よ - 」
-
『誰? 』(明野照葉)_書評という名の読書感想文
『誰? 』明野 照葉 徳間文庫 2020年8月15日初刷 嵌められた、と気づいた時
-
『ぼくは勉強ができない』山田詠美_書評という名の読書感想文
『ぼくは勉強ができない』 山田 詠美 新潮社 1993年3月25日発行 山田詠美の小説を大別す
-
『木洩れ日に泳ぐ魚』(恩田陸)_書評という名の読書感想文
『木洩れ日に泳ぐ魚』恩田 陸 文春文庫 2010年11月10日第一刷 舞台は、アパートの一室。別々
-
『生きる』(乙川優三郎)_書評という名の読書感想文
『生きる』乙川 優三郎 文春文庫 2005年1月10日第一刷 亡き藩主への忠誠を示す「追腹」を禁じ
-
『今だけのあの子』(芦沢央)_書評という名の読書感想文
『今だけのあの子』芦沢 央 創元推理文庫 2018年7月13日6版 結婚おめでとう、メッセージカー
-
『ぼくは悪党になりたい』(笹生陽子)_書評という名の読書感想文
『ぼくは悪党になりたい』笹生 陽子 角川書店 2004年6月30日初版 この小説は、多感な17歳
-
『沈黙の町で』(奥田英朗)_書評という名の読書感想文
『沈黙の町で』奥田 英朗 朝日新聞出版 2013年2月28日第一刷 川崎市の多摩川河川敷で、
-
『本性』(黒木渚)_書評という名の読書感想文
『本性』黒木 渚 講談社文庫 2020年12月15日第1刷 異常度 ★★★★★ 孤
-
『想像ラジオ』(いとうせいこう)_書評という名の読書感想文
『想像ラジオ』いとう せいこう 河出文庫 2015年3月11日初版 この物語は、2011年3