『いけない』(道尾秀介)_書評という名の読書感想文

『いけない』道尾 秀介 文春文庫 2022年8月10日第1刷

★ラスト1ページですべてがひっくり返る。
話題の超絶ミステリがついに文庫化!

各章の最終ページに挟まれた 「写真」 には、
物語ががらりと変貌するトリックが仕掛けられていて・・・・・・・。
2度読み確実! あまりの面白さが大反響をもたらした、
道尾秀介渾身の超絶ミステリ。

第一章 弓投げの崖を見てはいけない
→自殺の名所が招く痛ましい復讐の連鎖。
第二章 その話を聞かせてはいけない
→少年が見たのは殺人現場? それとも・・・・・・・・。
第三章 絵の謎に気づいてはいけない
→新興宗教の若き女性幹部。本当に自殺か?
終 章 街の平和を信じてはいけない
→そして、すべての真実が明らかに・・・・・・・。

騙されてはいけない。けれど絶対、あなたも騙される。(文春文庫)

誰が言い出したのだろう。
海岸線に沿って白沢市と蝦蟇倉市を結ぶ、白蝦蟇シーライン。その道を南下するとき、左手に現れる弓投げの崖を、決して見てはいけない。

弓投げの崖は蝦蟇倉市の東端にある断崖で、大小二つの鋭い先端が、海に向かってザリガニのはさみのように突き出している。その昔、この地域を治めていた戦好きの殿様が、お釈迦様に諭されて人の命の尊さを知り、弓を折って海に投げ捨てたという伝説が、名前の由来らしい。ザリガニのはさみのようなあの地形は、弓が折れたかたちなのだとか。

そんなたいそうな故事があるにもかかわらず、いまでは弓投げの崖は、地方有数の自殺の名所となっていた。語呂が災いしたのだろうか。蝦蟇倉市民のみならず、近県から様々な人々が崖にやってきては、海に向かって身を投げる。崖の上には死者たちの霊が集まっており、車を運転中にその霊と目を合わせると、あの世に連れていかれるから - 決して崖を見てはいけない。(本文冒頭より)

主に事件は、白沢市と蝦蟇倉市に跨るサイクリングロードの周辺地域で発生します。弓投げの崖や蝦蟇倉東トンネルは言うに及ばず、事件の当事者たちが暮らす家や職場もまたその付近にありました。話は各々別ですが、それぞれに、どこかが繋がっています。

・まずは各章の物語をじっくりとお楽しみください。
・各章の最終ページには、ある写真が挿入されています。
・写真を見ることで、それぞれの “隠された真相” を発見していただければ幸いです。

問題は -

第一章・・・・・・・死んだのは誰か?
第二章・・・・・・・なぜ死んだのか?
第三章・・・・・・・罪は誰のものか?
終 章・・・・・・・????????

※「非常に評判がよかったわりには・・・・・」 という意見が、少なからずあるようで。やや、広告が過ぎたのでしょうか。面白くはありますが、くれぐれも、期待し過ぎてはいけません

この本を読んでみてください係数 80/100

◆道尾 秀介
1975年兵庫県芦屋市生まれ。
玉川大学農学部卒業。

作品 「手首から先」「背の眼」「向日葵の咲かない夏」「シャドウ」「月と蟹」「カラスの親指」「カエルの小指」「龍神の雨」「光媒の花」他多数

関連記事

『JK』(松岡圭祐)_書評という名の読書感想文

『JK』松岡 圭祐 角川文庫 2022年5月25日初版 読書メーター(文庫部門/週間

記事を読む

『Mの女』(浦賀和宏)_書評という名の読書感想文

『Mの女』浦賀 和宏 幻冬舎文庫 2017年10月10日初版 Mの女 (幻冬舎文庫) ミステ

記事を読む

『1973年のピンボール』(村上春樹)_書評という名の読書感想文

『1973年のピンボール』村上 春樹 講談社 1980年6月20日初版   1

記事を読む

『インストール』(綿矢りさ)_書評という名の読書感想文

『インストール』綿矢 りさ 河出書房新社 2001年11月20日初版 インストール &n

記事を読む

『すべての男は消耗品である』(村上龍)_書評という名の読書感想文

『すべての男は消耗品である』村上 龍 KKベストセラーズ 1987年8月1日初版 すべての男は

記事を読む

『もう「はい」としか言えない』(松尾スズキ)_書評という名の読書感想文

『もう「はい」としか言えない』松尾 スズキ 文藝春秋 2018年6月30日第一刷 もう「はい」

記事を読む

『Aではない君と』(薬丸岳)_書評という名の読書感想文

『Aではない君と』薬丸 岳 講談社文庫 2017年7月14日第一刷 Aではない君と (講談社文

記事を読む

『彼女が最後に見たものは』(まさきとしか)_書評という名の読書感想文

『彼女が最後に見たものは』まさき としか 小学館文庫 2021年12月12日初版第1刷 彼女

記事を読む

『あのひと/傑作随想41編』(新潮文庫編集部)_書評という名の読書感想文

『あのひと/傑作随想41編』新潮文庫編集部 新潮文庫 2015年1月1日発行 あのひと: 傑作

記事を読む

『走れ! タカハシ』(村上龍)_書評という名の読書感想文

『走れ! タカハシ』村上龍 講談社 1986年5月20日第一刷 走れ,タカハシ! (講談社文庫

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

『名前も呼べない』(伊藤朱里)_書評という名の読書感想文

『名前も呼べない』伊藤 朱里 ちくま文庫 2022年9月10日第1刷

『Yuming Tribute Stories』(桐野夏生、綿矢りさ他)_書評という名の読書感想文

『Yuming Tribute Stories』桐野夏生、綿矢りさ他

『シュガータイム』(小川洋子)_書評という名の読書感想文

『シュガータイム』小川 洋子 中公文庫 2022年7月30日21刷発

『ぼくの死体をよろしくたのむ』(川上弘美)_書評という名の読書感想文

『ぼくの死体をよろしくたのむ』川上 弘美 新潮文庫 2022年9月1

『老警』(古野まほろ)_書評という名の読書感想文

『老警』古野 まほろ 角川文庫 2022年8月25日初版発行

→もっと見る

  • 3 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
PAGE TOP ↑