自己紹介

shingoと申します。

自己紹介に代えて、以下に私が本を読み出した理由を記します。

中学校へ入学したての頃、同じバスケットボール部へ入部した同級生の家へ行くことがありました。中学で知り合ったばかりでまだよく知らなかったのですが、ある日の帰り際、「家に寄ってけよ。一緒に弁当食おうぜ」 と誘ってきたのでした。

日曜日、終日予定の部活が先生の都合で昼までになったラッキーな日のことでした。彼の家は、私の家と中学校のちょうど中間くらいにありました。

玄関を上がり左手にある居間へ入ると、私の目に飛び込んできたのは、部屋の二つの壁に造り付けられた天井までの本棚と、そこに並んでいる大量の本でした。

それまで私は学校の図書館以外であれほど大量の本が並んでいる景色を見たことがありませんでした。田舎の農家の長男である私の家には本など一冊もありません。それであたり前だと思っていました。

それらの本の持主はもちろん同級生の彼ではなく、小学校の先生をしていた彼の母親であり、サラリーマンの彼の父親だったのですが、そういうことではなく、同級生の家に  “本屋並み”  に本がある状況に、ひどくショックを受けたのでした。

何より、羨ましかった。豊かであろう生活と、それを支える教養といったものに。自分にないものが、何気にここには存在するということが。

そこにある多くの本は、豊かな情緒と大いなる知的好奇心を家族に与え、それは死ぬまで消えることはないのだと。その衝撃はとても大きなものでした。

本を読もう。読まなくては。将来、数え切れないほどの本がある部屋で暮らしたいと、その時13歳の中学生だった私は、かなり本気で、そう決意したのでした。


公開日:
最終更新日:2021/01/13

『連続殺人鬼カエル男 完結編』(中山七里)_書評という名の読書感想文

『連続殺人鬼カエル男 完結編』中山 七里 宝島社 2024年11月

『雪の花』(吉村昭)_書評という名の読書感想文

『雪の花』吉村 昭 新潮文庫 2024年12月10日 28刷

『歌舞伎町ゲノム 〈ジウ〉サーガ9 』(誉田哲也)_書評という名の読書感想文

『歌舞伎町ゲノム 〈ジウ〉サーガ9 』誉田 哲也 中公文庫 2021

『ノワール 硝子の太陽 〈ジウ〉サーガ8 』(誉田哲也)_書評という名の読書感想文

『ノワール 硝子の太陽 〈ジウ〉サーガ8 』誉田 哲也 中公文庫 2

『救いたくない命/俺たちは神じゃない2』(中山祐次郎)_書評という名の読書感想文

『救いたくない命/俺たちは神じゃない2』中山 祐次郎 新潮文庫 20

→もっと見る

  • 3 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
PAGE TOP ↑