自己紹介

shingoと申します。

もうずいぶんと歳をとった男性です。自己紹介に代えて、私が本を読み出した理由を記します。

中学校へ入学したての頃、同じバスケ部へ入部した同級生の家へ行くことがありました。中学で知り合ったばかりでまだよく知らない奴だったのですが、ある日の帰り際、「家に寄ってけよ。一緒に弁当食おうぜ」 と誘って来たのでした。

日曜日、終日予定の部活が先生の都合で昼までになったラッキーな日のことでした。彼の家は、私の家と中学校のちょうど中間くらいにありました。

玄関を上がり左手にある居間へ入ると、私の目に飛び込んできたのは、部屋の二つの壁に造り付けられた天井までの本棚に並ぶ大量の本でした。

それまで私は学校の図書館以外であれほど大量の本が並んでいる景色を見たことがありませんでした。田舎の貧しい農家の長男である私の家には本など一冊もありません。それであたり前だと思っていました。

それらの本の持主はもちろん彼ではなく、教師をしている彼の母親であり、サラリーマンの彼の父親だったのですが、そういうことではなく、普通の家に  “本屋並み”  に文芸書が並んでいる様子に、ひどくショックを受けたのでした。

何より、羨ましかった。豊かであろう生活と、それを支える教養といったものに。自分には何一つないものが、何気にここには存在するということが。

そこにある多くの本は、豊かな情緒と大いなる知的好奇心を家族に与え、それは死ぬまで消えることはないのだと。その衝撃は思う以上に大きなものでした。

本を読まなければならない。将来、数え切れないほどの本がある家で暮らしたいと、その時13歳の中学生だった私は、かなり本気で、そう決意したのでした。


公開日:
最終更新日:2019/07/12

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