『マッチング』(内田英治)_書評という名の読書感想文
公開日:
:
『マッチング』(内田英治), 作家別(あ行), 内田英治, 書評(ま行)
『マッチング』内田 英治 角川ホラー文庫 2024年2月20日 3版発行
2024年2月23日公開 映画 『マッチング』 原作小説
ウェディングプランナーの仕事が充実している一方、恋愛に奥手な輪花は、同僚に勧められ、渋々マッチングアプリに登録。この日を境に生活が一変する。マッチングした吐夢 (トム) と待ち合わせると、現れたのはプロフィールとは別人のように暗い男。恐怖を感じた輪花は、取引先でマッチングアプリ運営会社のプログラマー影山に助けを求めることに。
同じ頃、“アプリ婚“ した夫婦が惨殺される悲惨な事件が連続して発生。輪花を取り巻く人物たちの “本当の顔“ が次々に明かされ、事件の魔の手が輪花に迫るのだった。誰が味方で、誰が敵なのか - 。出会いに隠された恐怖を描く新感覚サスペンス・スリラー! (KADOKAWA 「公式レーベルサイト」 より)
すでに映画が公開されているとは知らずに買いました。帯に確かに 「2.23 映画公開」 と書いてあります。もう観たよという方も多いのではないでしょうか。今更ではありますが、できれば公開前に読みたかった。なんだかちょっと気が削がれた感じがします。
映画の方はともかくも小説はどうかというと、期待したほどには怖くもなんともありません。早々に誰が犯人かが見当がつき、話の展開ができすぎで、現実味に欠けるというか・・・・・・・ 身に迫る恐怖というものが感じられません。被害者らの殺され方の、これ見よがしなやり方もどんなものかと。
「ラスト1秒、あなたの愛が反転する。」 - これはその通り。嘘でも大げさでもありません。
この本を読んでみてください係数 75/100
◆内田 英治
1971年ブラジル・リオデジャネイロ生まれ。映画監督、脚本家。
日本に帰国後、高校卒業と同時に上京。99年、テレビドラマ 『教習所物語』 で脚本家デビュー。2004年に 『ガチャポン』 で映画監督デビュー。監督、脚本を務めた映画 『ミッドナイトスワン』 は21年、日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した。監督作品に 『雪女と蟹を食う』 『全裸監督』 など多数。著書には自身が監督、脚本を手がけた 『ミッドナイトスワン』 『異動辞令は音楽隊! 』」など。
関連記事
-
『岡山女/新装版』(岩井志麻子)_書評という名の読書感想文
『岡山女/新装版』岩井 志麻子 角川ホラー文庫 2022年6月25日改版初版 ここ
-
『生きる』(乙川優三郎)_書評という名の読書感想文
『生きる』乙川 優三郎 文春文庫 2005年1月10日第一刷 亡き藩主への忠誠を示す「追腹」を禁じ
-
『悪いものが、来ませんように』(芦沢央)_書評という名の読書感想文
『悪いものが、来ませんように』芦沢 央 角川文庫 2016年8月25日発行 大志の平らな胸に、紗
-
『だれかの木琴』(井上荒野)_書評という名の読書感想文
『だれかの木琴』井上 荒野 幻冬舎文庫 2014年2月10日初版 主婦・小夜子が美容師・海斗から受
-
『世にも奇妙な君物語』(朝井リョウ)_書評という名の読書感想文
『世にも奇妙な君物語』朝井 リョウ 講談社文庫 2018年11月15日第一刷 彼は子
-
『その愛の程度』(小野寺史宜)_書評という名の読書感想文
『その愛の程度』小野寺 史宜 講談社文庫 2019年9月13日第1刷 職場の親睦会
-
『さよなら、ビー玉父さん』(阿月まひる)_書評という名の読書感想文
『さよなら、ビー玉父さん』阿月 まひる 角川文庫 2018年8月25日初版 夏の炎天下、しがない3
-
『ぼっけえ、きょうてえ』(岩井志麻子)_書評という名の読書感想文
『ぼっけえ、きょうてえ』岩井 志麻子 角川書店 1999年10月30日初版 連日、うだるような暑
-
『無理』(奥田英朗)_書評という名の読書感想文
『無理』奥田 英朗 文芸春秋 2009年9月30日第一刷 〈ゆめの市〉は、「湯田」「目方」「
-
『あの子の殺人計画』(天祢涼)_書評という名の読書感想文
『あの子の殺人計画』天祢 涼 文春文庫 2023年9月10日 第1刷 社会派ミステリー・仲田