『もっと悪い妻』(桐野夏生)_書評という名の読書感想文

公開日: : 最終更新日:2024/01/05 『もっと悪い妻』(桐野夏生), 作家別(か行), 書評(ま行), 桐野夏生

『もっと悪い妻』桐野 夏生 文藝春秋 2023年6月30日第1刷発行

悪い妻とは何ですか? 妻の貌を、男たちは知らない

男たちの身勝手さを、一行で打ち砕く桐野文学の極北!

夫公認のもと、元恋人と自由な時間を過ごす妻を描いた表題作 「もっと悪い妻」 など、計六作の短編を収録。

ネット上で 〈悪妻〉 と批判されることに悩むバンドのヴォーカルの妻を描いた 「悪い妻」。
妻と離婚した後、若い女性にしつこく迫る壮年の男性の哀歌を伝える 「武蔵野線」 など、男と女のカタチを切り取った現代の 「悪妻論」。

西加奈子さん (作家) 推薦
不幸な 「悪い妻」 は許されるが、
満たされた 「もっと悪い妻」 は断罪される。
「妻」 という呪いと、
「妻」 を理想化する社会へのしたたかなカウンター。(文藝春秋BOOKSより)

[目次]
悪い妻
武蔵野線
みなしご
残念
オールドボーイズ
もっと悪い妻

・何より強烈なのは、表紙のインパクト! (今年買った本の中では一番かもしれません)
・中味に関して言えば、十人十通りの意見があることでしょう。いわく、
・短くて物足りなく、拍子抜けしてしまった。 であるとか、
・もっと毒気のある長い話が読みたかった。 とか。

・やや表紙負けしている観が否めません。たしかに、
・六つの作品は連作で、最後にあっと驚くオチがあるとか、もっともっとエッジが効いているとかの、
・桐野夏生の読者としては、常に、他では味わうことができない種類の “刺激” が欲しいわけです。できることならしばらくの間、その余韻に浸っていたい、と願うのですが、今回は・・・・・・・

・読み出すと、あっという間に終わります。

この本を読んでみてください係数 80/100

◆桐野 夏生
1951年石川県金沢市生まれ。
成蹊大学法学部卒業。

作品 「OUT」「グロテスク」「錆びる心」「夜また夜の深い夜」「奴隷小説」「バラカ」「猿の見る夢」「夜の谷を行く」「路上のX」「デンジャラス」「日没」「砂に埋もれる犬」他多数

関連記事

『魔女は甦る』(中山七里)_そして、誰も救われない。

『魔女は甦る』中山 七里 幻冬舎文庫 2018年7月25日5版 元薬物研究員が勤務

記事を読む

『抱く女』(桐野夏生)_書評という名の読書感想文

『抱く女』桐野 夏生 新潮文庫 2018年9月1日発行 女は男の従属物じゃない - 。1972年、

記事を読む

『ヘヴン』(川上未映子)_書評という名の読書感想文

『ヘヴン』川上 未映子 講談社文庫 2012年5月15日第一刷 「わたしたちは仲間です」- 十

記事を読む

『猫を拾いに』(川上弘美)_書評という名の読書感想文

『猫を拾いに』川上 弘美 新潮文庫 2018年6月1日発行 誕生日の夜、プレーリードッグや地球外生

記事を読む

『夜の谷を行く』(桐野夏生)_書評という名の読書感想文

『夜の谷を行く』桐野 夏生 文芸春秋 2017年3月30日第一刷 39年前、西田啓子はリンチ殺人の

記事を読む

『疫病神』(黒川博行)_書評という名の読書感想文

『疫病神』黒川博行 新潮社 1997年3月15日発行 黒川博行の代表的な長編が並ぶ「疫病神シリー

記事を読む

『水を縫う』(寺地はるな)_書評という名の読書感想文

『水を縫う』寺地 はるな 集英社文庫 2023年5月25日第1刷 「そしたら僕、僕

記事を読む

『祝山』(加門七海)_書評という名の読書感想文

『祝山』加門 七海 光文社文庫 2007年9月20日初版 ホラー作家・鹿角南のもとに、旧友からメー

記事を読む

『モナドの領域』(筒井康隆)_書評という名の読書感想文

『モナドの領域』筒井 康隆 新潮文庫 2023年1月1日発行 「わが最高傑作 にし

記事を読む

『夫のちんぽが入らない』(こだま)_書評という名の読書感想文

『夫のちんぽが入らない』こだま 講談社文庫 2018年9月14日第一刷 "夫のちんぽが入らない"

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

『ケモノの城』(誉田哲也)_書評という名の読書感想文

『ケモノの城』誉田 哲也 双葉文庫 2021年4月20日 第15刷発

『嗤う淑女 二人 』(中山七里)_書評という名の読書感想文

『嗤う淑女 二人 』中山 七里 実業之日本社文庫 2024年7月20

『闇祓 Yami-Hara』(辻村深月)_書評という名の読書感想文

『闇祓 Yami-Hara』辻村 深月 角川文庫 2024年6月25

『地雷グリコ』(青崎有吾)_書評という名の読書感想文 

『地雷グリコ』青崎 有吾 角川書店 2024年6月20日 8版発行

『アルジャーノンに花束を/新版』(ダニエル・キイス)_書評という名の読書感想文

『アルジャーノンに花束を/新版』ダニエル・キイス 小尾芙佐訳 ハヤカ

→もっと見る

  • 3 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
PAGE TOP ↑