『コロナと潜水服』(奥田英朗)_書評という名の読書感想文

『コロナと潜水服』奥田 英朗 光文社文庫 2023年12月20日 初版1刷発行

ちょっぴり切なく、ほんのり笑えて、最後はやさしい人生が愛おしくなるささやかな奇跡の物語5編 奥田英朗のマジックアワー

早期退職を拒み、工場の警備員へと異動させられた家電メーカーの中高年社員たち。そこにはなぜかボクシング用品が揃っていた - 。(「ファイトクラブ」) 五歳の息子には、新型コロナウィルスを感知する能力があるらしい。我が子を信じ、奇妙な自主隔離生活を始めるパパの身に起こる顛末とは? (「表題作」) ほか “ささやかな奇跡“ に、人生が愛おしくなる全5編を収録。(光文社文庫)

【弁解と反省】

慌しく気忙しい毎日の年末年始に、小説など読むものではありません。普段なら二日もあれば読めるものが、一週間かかってやっと読めました。ところが、途切れ途切れの読書のせいで、一冊読み切ったという実感がまるでありません。

(奥田作品故) 面白くないはずがない、のですが -

そうなる前に急用ができたり、やっとゆっくりできると眠くなったりで、時間をおいて続きを読むのですが、前に戻って確認したり、読み返したりで - 。

そんなことばかりをしていると、読むのに集中できず、興味は削がれる一方で、思うと、おそろしく無駄な読書をしているような。いつもなら惜しむように読むであろう著者の作品を蔑ろにしてしまい、えらく申し訳ない気がしてきます。

ということで、私はともかく、世間の評判は表題作や最終話に多く集まっているようです。どうかみなさん、平時に、心置きなく読書ください。

[目次]
海の家
ファイトクラブ
占い師
コロナと潜水服
パンダに乗って

この本を読んでみてください係数 85/100

◆奥田 英朗
1959年岐阜県岐阜市生まれ。
岐阜県立岐山高等学校卒業。プランナー、コピーライター、構成作家を経て小説家。

作品 「ウランバーナの森」「最悪」「邪魔」「空中ブランコ」「町長選挙」「沈黙の町で」「無理」「噂の女」「ナオミとカナコ」「向田理髪店」「罪の轍」「リバー」他多数

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