『貞子』(牧野修)_書評という名の読書感想文
『貞子』牧野 修 角川ホラー文庫 2019年4月29日初版
※本書は、映画 『貞子』 の脚本をもとに書き下ろされたものです。(映画本編とは一部内容が異なっています)
1991年、1冊のホラー小説が発行されました。それが鈴木光司の 『リング』 です。現在では6冊に及ぶ大河シリーズとなっています。その中心にいるのが、全ての呪いの元凶となる女性・山村貞子。ハリウッドメイクなどもされ国際的な存在となった貞子は、ニューズウィークが選ぶ 「世界が尊敬する日本人100人」 にイチロー、大坂なおみ、羽生結弦、YOSHIKIなどとともに選ばれました。そんな彼女の名前をタイトルにした映画シリーズ最新作が 『貞子』 です。(by村松健太郎/シネマトゥデイより)
「見た者は一週間後に呪い殺される」 という “呪いのビデオ” の恐怖を描いた鈴木光司の小説を実写化したホラー映画 『リング』 が公開されたのは1998年。21年前のことです。
怖いもの見たさで観た映画や読んだ小説が、昨日の事のように思い出されます。まさか20年余りの時を経て、今も尚、あの “貞子” が “生き続けて” いようとは思いもしませんでした。
呪いを拡散するのが (ビデオテープではなく) 動画配信というのが如何にも “今らしい” 。以前と比べて怖さが増しているかどうかは、ぜひご自身で確かめてみて下さい。
但し一度観て、あるいは読んでから、後悔してもそれは知りません。それでも観るか、読むかどうかはあなた次第です。
撮ったら、死ぬ。その呪いは動画配信から始まった ・・・・・・ 新たな恐怖の誕生!
日本で一、二を争う最新治療が望める総合医療センターで臨床心理士として働く秋川茉優。そこに記憶を失った少女が運び込まれた。茉優の弟の和真は動画配信で伸び悩む再生回数を増やそうと、最近放火事件で多くの死者を出した団地に潜入し心霊動画の撮影を試みるのだが・・・・・・・。
鳥の啼く夜に次々と死んでいく人たち。20年以上も前の貞子の呪いが復活か。映画で語られなかった背景や登場人物たちのエピソード満載のノベライズ。(角川ホラー文庫)
映画 『貞子』 (原作:鈴木光司 「タイド」 脚本:杉原憲明) は、5月24日(金) 公開
監督:中田秀夫 『リング』 『スマホを落としただけなのに』
主演:池田エライザ Ⓒ 2019 「貞子」 制作委員会
この本を読んでみてください係数 80/100
◆牧野 修
1958年大阪府生まれ。
大阪芸術大学芸術学部映像計画学科卒業。
作品「王の眠る丘」「傀儡后」「月世界小説」「MOUSE」「スイート・リトル・ベイビー」「サヨナラ、おかえり」他多数
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