『貞子』(牧野修)_書評という名の読書感想文

公開日: : 最終更新日:2024/01/09 『貞子』(牧野修), 作家別(ま行), 書評(さ行), 牧野修

『貞子』牧野 修 角川ホラー文庫 2019年4月29日初版

※本書は、映画 『貞子』 の脚本をもとに書き下ろされたものです。(映画本編とは一部内容が異なっています)

1991年、1冊のホラー小説が発行されました。それが鈴木光司の 『リング』 です。現在では6冊に及ぶ大河シリーズとなっています。その中心にいるのが、全ての呪いの元凶となる女性・山村貞子。ハリウッドメイクなどもされ国際的な存在となった貞子は、ニューズウィークが選ぶ 世界が尊敬する日本人100人 にイチロー、大坂なおみ、羽生結弦、YOSHIKIなどとともに選ばれました。そんな彼女の名前をタイトルにした映画シリーズ最新作が 『貞子』 です。(by村松健太郎/シネマトゥデイより)

「見た者は一週間後に呪い殺される」 という “呪いのビデオ” の恐怖を描いた鈴木光司の小説を実写化したホラー映画 『リング』 が公開されたのは1998年。21年前のことです。

怖いもの見たさで観た映画や読んだ小説が、昨日の事のように思い出されます。まさか20年余りの時を経て、今も尚、あの “貞子” が “生き続けて” いようとは思いもしませんでした。

呪いを拡散するのが (ビデオテープではなく) 動画配信というのが如何にも “今らしい” 。以前と比べて怖さが増しているかどうかは、ぜひご自身で確かめてみて下さい。

但し一度観て、あるいは読んでから、後悔してもそれは知りません。それでも観るか、読むかどうかはあなた次第です。

撮ったら、死ぬ。その呪いは動画配信から始まった ・・・・・・ 新たな恐怖の誕生!

日本で一、二を争う最新治療が望める総合医療センターで臨床心理士として働く秋川茉優。そこに記憶を失った少女が運び込まれた。茉優の弟の和真は動画配信で伸び悩む再生回数を増やそうと、最近放火事件で多くの死者を出した団地に潜入し心霊動画の撮影を試みるのだが・・・・・・・。

鳥の啼く夜に次々と死んでいく人たち。20年以上も前の貞子の呪いが復活か。映画で語られなかった背景や登場人物たちのエピソード満載のノベライズ。(角川ホラー文庫)

映画 『貞子』 (原作:鈴木光司 「タイド」 脚本:杉原憲明) は、5月24日(金) 公開
監督:中田秀夫 『リング』 『スマホを落としただけなのに』
主演:池田エライザ Ⓒ 2019 「貞子」 制作委員会

 

この本を読んでみてください係数 80/100

◆牧野 修
1958年大阪府生まれ。
大阪芸術大学芸術学部映像計画学科卒業。

作品「王の眠る丘」「傀儡后」「月世界小説」「MOUSE」「スイート・リトル・ベイビー」「サヨナラ、おかえり」他多数

関連記事

『いかれころ』(三国美千子)_書評という名の読書感想文

『いかれころ』三国 美千子 新潮社 2019年6月25日発行 「ほんま私は、いかれ

記事を読む

『その日東京駅五時二十五分発』(西川美和)_書評という名の読書感想文

『その日東京駅五時二十五分発』西川 美和 新潮文庫 2015年1月1日発行 ぼくは何も考えてな

記事を読む

『絶叫』(葉真中顕)_書評という名の読書感想文

『絶叫』葉真中 顕 光文社文庫 2019年3月5日第7刷 - 私を棄てたこの世界を騙

記事を読む

『奇貨』(松浦理英子)_書評という名の読書感想文

『奇貨』松浦 理英子 新潮文庫 2015年2月1日発行 知ってる人は、知っている。・・・たぶん、

記事を読む

『グ、ア、ム』(本谷有希子)_書評という名の読書感想文

『グ、ア、ム』本谷 有希子 新潮文庫 2011年7月1日発行 北陸育ちの姉妹。長女は大学を出た

記事を読む

『アルテーミスの采配』(真梨幸子)_書評という名の読書感想文

『アルテーミスの采配』真梨 幸子 幻冬舎文庫 2018年2月10日初版 出版社で働く派遣社員の倉本

記事を読む

『せんせい。』(重松清)_書評という名の読書感想文

『せんせい。』重松 清 新潮文庫 2023年3月25日13刷 最泣王・重松清が描く

記事を読む

『十九歳のジェイコブ』(中上健次)_書評という名の読書感想文

『十九歳のジェイコブ』中上 健次 角川文庫 2006年2月25日改版初版発行 中上健次という作家

記事を読む

『大人になれない』(まさきとしか)_歌子は滅多に語らない。

『大人になれない』まさき としか 幻冬舎文庫 2019年12月5日初版 学校から帰

記事を読む

『火車』(宮部みゆき)_書評という名の読書感想文

『火車』宮部 みゆき 新潮文庫 2020年5月10日87刷 ミステリー20年間の第1

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

『ジウⅠ 警視庁特殊犯捜査係 SIT 』(誉田哲也)_書評という名の読書感想文

『ジウⅠ 警視庁特殊犯捜査係 SIT 』誉田 哲也 中公文庫 202

『血腐れ』(矢樹純)_書評という名の読書感想文

『血腐れ』矢樹 純 新潮文庫 2024年11月1日 発行 戦慄

『チェレンコフの眠り』(一條次郎)_書評という名の読書感想文

『チェレンコフの眠り』一條 次郎 新潮文庫 2024年11月1日 発

『ハング 〈ジウ〉サーガ5 』(誉田哲也)_書評という名の読書感想文

『ハング 〈ジウ〉サーガ5 』誉田 哲也 中公文庫 2024年10月

『Phantom/ファントム』(羽田圭介)_書評という名の読書感想文 

『Phantom/ファントム』羽田 圭介 文春文庫 2024年9月1

→もっと見る

  • 3 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
PAGE TOP ↑