『バック・ステージ』(芦沢央)_書評という名の読書感想文

公開日: : 最終更新日:2024/01/09 『バック・ステージ』(芦沢央), 作家別(あ行), 書評(は行), 芦沢央

『バック・ステージ』芦沢 央 角川文庫 2019年9月25日初版

まさか、こうきたか幕が上がったら一気読み! 注目作家の痛快ミステリ!

新入社員の松尾は忘れ物で戻った夜の会社で、先輩社員の康子がパワハラ上司の不正証拠を探す場面に遭遇。そのまま巻き込まれる形で、片棒を担がされることになる。翌日、中野の劇場では松尾たちの会社がプロモーションする人気演出家の舞台が始まろうとしていた。その周辺では息子の嘘に悩むシングルマザーやチケットを手に劇場で同級生を待つ青年、開幕直前に届いた脅迫状など、それぞれ全く無関係の事件が同時多発的に起きていたが、松尾と康子の行動によってそれらは少しずつ繋がっていく、そして・・・・・・・。バラバラのピースが予測不能のラストを象る。(webサイト KADOKAWAより)

目次
序幕
第一幕 息子の親友
第二幕 始まるまで、あと五分
幕間
第三幕 舞台裏の覚悟
第四幕 千賀雅子にはかなわない
終幕
カーテン・コール

webにあった感想をひとつ。

無意識のうちに再読。芦沢さんといえば、とってもイヤミスのイメージが強いけど、今回は人気演出家の舞台の周りで起こる事件から素敵な人間模様を描いたミステリ。子供の優しい心を再認識した母親、思い込みから恋人のボタンを掛け違いかけた大学生、ちょっとした過ちから舞台と恋人の間で揺れ動くひよっこ男優、ボケが始まっても初心を忘れず高みを目指す女優と、魅力的な登場人物がハートフルな結末を見せてくれるが、私にはこのお話のきっかけを作ってくれた変幻自在なOL康子さんが一番気に入りました!

by あっ!chan

無意識のうちに再読、ってどユコト? そこはツッコミたくもありますが、続く感想については概ね 〈あっ!chan〉 さんの言う通り。他に書くべきことが見当たりません。なので、そのままそっくり頂きました。(悪しからず! )

ただ、私は (この人の) こんな話が読みたいわけではありません。ハートフルでも何でもない、違う話が読みたいのです。

この本を読んでみてください係数 80/100

◆芦沢 央
1984年東京都生まれ。
千葉大学文学部史学科卒業。

作品 「罪の余白」「今だけのあの子」「許されようとは思いません」「いつかの人質」「悪いものが、来ませんように」「火のないところに煙は」他

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