『13階段/新装版』(高野和明)_書評という名の読書感想文

『13階段/新装版』高野 和明 講談社文庫 2025年11月14日 第1刷発行

第47回江戸川乱歩賞受賞作

この衝撃、もはや伝説 - 無実の死刑囚を救い出せ。不可能に挑んだ二人の男の物語

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った 「階段」 の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。二人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く大傑作ミステリー! 解説:宮部みゆき (講談社文庫)

初めて読んだ 『踏切の幽霊』 が思った以上によかったので、続けて二冊目を読みました。

テーマは、大きくは 「冤罪」 です。それに関連して 「死刑制度」 や 「刑務所の機能=服役者の更生」 などについてが語られています。それともうひとつ - 罪を犯した人間は、それでも人を救うことができるのか、ということです。

三上と南郷は二人共に、実は過去に “殺人“ を犯しています。それを引きずり、それがために今も苦しんでいます。

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さらに詳しくあらすじを紹介しましょう。

二年前に傷害致死事件を起こして服役するも、模範囚として早期の仮釈放を受けた青年・三上純一は、退職を考えている看守長の南郷正二からとある仕事を持ちかけられる。それはある殺人事件の再調査であり、犯人とされる死刑囚・樹原亮の冤罪を晴らせば多額の報酬が貰えるというものであった。民事賠償で家族が困窮を窮めていた三上はその話を受ける。

事件は10年前、千葉県中湊郡で起こり、ベテランの保護司夫婦が惨殺されたというものであった。犯人とされる樹原は、事件現場近くでバイク事故を起こし意識を失っていたところを発見され、状況証拠によって犯人とみなされ、死刑判決を受けていた。ところが、樹原自身はバイク事故の影響で 「階段を上っていた」 というおぼろげなこと以外、事件前後のことを思い出せなくなっていた。

死刑執行まであと約3ヶ月。樹原の言う 「階段」 をヒントに三上と南郷は中湊郡で調査を始める。やがて、三上と事件の意外な共通点が浮かび上がってくる。(Wikipedia)

※小説の中では、何度か、死刑囚の最期の場面 (絞首刑に処せられる際の一部始終) が出てくるのですが、さすがにリアルにすぎて胸が詰まる思いがします。その光景を “見た“ 瞬間から、生涯忘れられなくなるのは、なにも南郷に限ってのことではないでしょう。現場に立ち会う全ての者は、繰り返し、悪夢にも似た記憶と残像に悶え苦しむに違いありません。

この本を読んでみてください係数 80/100

◆高野 和明
1964年東京都生まれ。ロサンゼルス・シティー・カレッジ映画科中退。

作品 「13階段」「ジェノサイド」「グレイヴディッガー」「K・Nの悲劇」「幽霊人命救助隊」「6時間後に君は死ぬ」「踏切の幽霊」「犯人と二人きり」他多数

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