『諦めない女』(桂望実)_書評という名の読書感想文

公開日: : 最終更新日:2024/01/07 『諦めない女』(桂望実), 作家別(か行), 書評(あ行), 桂望実

『諦めない女』桂 望実 光文社文庫 2020年10月20日初版

失踪した六歳の少女。娘を捜し続ける母。
二人を待ち受ける壮絶な運命とは!?
章が変わるごとに訪れるサプライズ! きっとあなたは、もう一度読みたくなる! 

母親がスーパーで買い物をするわずかの間に、六歳の少女が忽然と姿を消した! 十二年後、フリーライターの飯塚桃子は、事件についての本を書き上げるため、当事者や関係者たちへの取材を重ねていく。それぞれの人物の言葉から浮かび上がってくる驚くべき真実、そして少女と母親を待ち受ける運命とは? 一章ごとに、がらりと変貌を遂げてゆく極限のミステリー! (光文社文庫)

フリーライターの飯塚桃子は35歳独身、30㎡のアパートに住んでいて貯金はゼロ。仕事にあぶれつつある彼女は、一発逆転、一攫千金を狙って、世間の注目を集めている事件のノンフィクションを書こうと目論んでいます。

彼女が目を付けたのは、2004年に発生した6歳の少女失踪事件でした。

その少女・小倉沙恵がいなくなったのは、母の京子がスーパーで買い忘れた牛乳を買いに戻った、ほんのわずかの間のことでした。京子は強い自責の念に苛まれ、必死に我が子を捜します。何年も、何年も、ただ沙恵が帰ってくるのを待ち続けます。

母である以上、誰に何を言われようと、京子は決して諦めません。沙恵はどこかで生きている - いつまでだろうと、固くそう信じています。

桃子がインタビューをしているのは事件から12年後、2016年のことです。12年の間、当事者たちはどんな思いでいたのだろうか。桃子は、それが知りたいと思いました。

失踪した小倉沙恵の父母・慎吾と京子をはじめ、慎吾の両親、沙恵の担任教師、京子の姉、子どもを失った親の会の主宰者など、インタビューした人数は二十人近くにも及びます。

果たして、沙恵の失踪とは何だったのでしょう? その目的は? その顛末は? 

半年が過ぎ、1年が過ぎ、2年が過ぎても沙恵の行方は杳として知れません。(口にはしないものの) ここに至り、京子以外、誰一人沙恵が生きているとは思っていません。そろそろ前を向けという周囲の声に、しかし京子はまるで聞く耳を持ちません。鬼気を孕み、生きているのに何をか言わんやと

この本を読んでみてください係数 85/100

◆桂 望実
1965年東京都生まれ。
大妻女子大学文学部国文科卒業。

作品 「死日記」「県庁の星」「嫌な女」「結婚させる家」「たそがれダンサーズ」他多数

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