『15歳のテロリスト』(松村涼哉)_書評という名の読書感想文

『15歳のテロリスト』松村 涼哉 メディアワークス文庫 2021年8月5日24版発行

15歳のテロリスト (メディアワークス文庫)

「すべて、吹き飛んでしまえ」 突然の犯行予告のあとに起きた新宿駅爆破事件。容疑者は渡辺篤人。たった15歳の少年の犯行は、世間を震撼させた。
少年犯罪を追う記者・安藤は、渡辺篤人を知っていた。かつて少年犯罪被害者の会で出会った孤独な少年。何が、彼を凶行に駆り立てたのか? 進展しない捜査を傍目に、安藤は、行方をくらませた少年の足取りを追う。事件の裏に隠された驚愕の真実に安藤が辿り着いたとき、15歳のテロリストの最後の闘いが始まろうとしていた - 。(メディアワークス文庫)

『15歳のテロリスト』 という目を惹くタイトル。「衝撃と感動が突き刺さる慟哭のミステリー」 とあります。

そして、プロローグ。

新宿駅に爆弾を仕掛けました。これは嘘ではありません
爆破予告は、動画共有サイトにアップロードされた。
動画内では、一人の少年が淡々と言葉を述べる。

全て、吹き飛んでしまえ
誰もが冗談だと思った。
動画のコメント欄には、警察への通報報告や、少年に対する罵倒や中傷が続く。彼の発言を本気にする者など誰一人いなかった。

だが、嘘偽りではなかった。
それから僅か一時間後。
一月十五日、火曜日の八時十七分、JR新宿駅中央線ホームが爆発する。

首謀者と思われる少年の情報は、すぐに出回った。
都内の通信制高校に通う少年。
十五歳。
日本全土を揺るがす少年犯罪の幕開けだった。

※よく行くがんこは売切れで、隣町にあるジュンク堂まで行って買いました。

いきなりですが、作者の松村涼哉を検索すると 「ライトノベル作家」 とあります。一般に作家と呼ばれる人とライトノベル作家には、何か違いがあるのでしょうか。「ライトノベル作家」 が書いたライトノベルの 『15歳のテロリスト』 という作品と一般の小説の間には、どんな区別がなされているのでしょう。

わかりません。貧困、虐待、無理解等の末に少年がした犯罪 - それに関わって揺れ動く被害者遺族や加害者家族の感情を扱った物語。重いテーマです。「少年法」 を突き詰めたこの作品が、”ライト” なわけないと思うのですが。

【追伸】 興味を持った方は、ぜひこちらも。二冊続けて読むと、松村涼哉という作家のことがとてもよくわかります。

僕が僕をやめる日 (メディアワークス文庫)

絶望の果て、少年は殺人鬼になった - 「15歳のテロリスト」 に続く衝撃ミステリ!!! 重版出来! 売れてます。

世界はきっと、僕たちを必要としてない。
「死ぬくらいなら、僕にならない? 」 生きることに絶望した立井潤貴は、自殺寸前で彼に救われ、それ以来 〈高木健介〉 として生きるように。それは誰も知らない、二人だけの秘密だった。2年後、ある殺人事件が起きるまでは・・・・・・・。

高木として殺人容疑をかけられ窮地に追い込まれた立井は、失踪した高木の行方を追う。自分に名前をくれた人は、殺人鬼かもしれない - 。葛藤のなか立井はやがて、封印された悲劇、少年時代の壮絶な過去、そして現在の高木の驚愕の計画に辿り着く。(メディアワークス文庫)

この本を読んでみてください係数 80/100

15歳のテロリスト (メディアワークス文庫)

◆松村 涼哉
1993年静岡県浜松市生まれ。
名古屋大学卒業。

作品 大学在学中に応募した 『ただ、それだけでよかったんです』 が、第22回電撃小説大賞 《大賞》 を受賞しデビュー、ヒットを果たす。他に 「おはよう、愚か者。おやすみ、ボクの世界」「1パーセントの教室」など

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