『いつかの人質』(芦沢央)_書評という名の読書感想文

『いつかの人質』芦沢 央 角川文庫 2018年2月25日初版


いつかの人質 (角川文庫)

宮下愛子は幼いころ、ショッピングモールで母親が目を離したわずかなすきに連れ去られる。それは偶発的に起きた事件だったが、両親の元に戻ったきた愛子は失明していた。12年後、彼女は再び何者かによって誘拐される。一体誰が? 何の目的で? 一方、人気漫画家の江間礼遠は突然失踪した妻、優奈の行方を必死に捜していた。優奈は12年前に起きた事件の加害者の娘だった。長い歳月を経て再び起きた、「被害者」と「加害者」の事件。偶然か、それとも二度目の誘拐に優奈は関わっているのか。急展開する圧巻のラスト35 P !   文庫化に当り、単行本から改稿されたシーンも。大注目作家のサスペンス・ミステリー。(KADOKAWA書籍紹介より)

言いたいことの中身はすごくよくわかる。但し、それがリアルに伝わってこないのがとても残念で、読むほどに “イタい” 感じがするのは私だけなのだろうか? 人として、あまりにまっとう(真面目)な人物ばかりなのもどうかと思う。

中で、江間礼遠(えま・れおん)という人物はどうだろう? 思いが強過ぎて、彼は徹頭徹尾、人の気持ちがわからない。それはもう異常なほどの「鈍感」で、妻の優奈を果てしなく追い詰める。それは(憎しみではなく)愛ゆえのことで、なお救われない。

「救われない」というのなら、二度の誘拐に巻き込まれた愛子もそう。愛子の気持ちは、誰もわからない。敢えてわかろうとしない両親は、悪い人ではない。むしろ善人で、善人であろうとすればするほど、それは愛子にとって荷えない「負担」となる。両親には、それがわからない。

※期待したほどの「刺激」がなくて、正直つまらなかった。途中からは「急展開する圧巻のラスト35 P ! 」に懸ける思いで読んではみたのですが・・・・・・・。残念! 

 

この本を読んでみてください係数 75/100


いつかの人質 (角川文庫)

◆芦沢 央
1984年東京都生まれ。
千葉大学文学部史学科卒業。

作品 「罪の余白」「今だけのあの子」「悪いものが、来ませんように」「許されようとは思いません」他

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