『嗤う淑女 二人 』(中山七里)_書評という名の読書感想文
公開日:
:
『嗤う淑女 二人 』(中山七里), 中山七里, 作家別(な行), 書評(わ行)
『嗤う淑女 二人 』中山 七里 実業之日本社文庫 2024年7月20日 初版第1刷発行
連続ドラマ化! 「嗤う淑女」 7/27 放送スタート 毎週土曜よる11時40分 東海テレビ・フジテレビ系全国ネット

シリーズ最新刊 戦慄のダークヒロイン・ミステリー 最恐悪女が最凶タッグ!? これはテロか、怨恨か -
高級ホテルの宴会場で大量毒殺事件が発生。犠牲者の一人、日坂浩一の手には 〈1〉 と記された紙片が。そして現場映像を解析した結果、衝撃の事実が判明する。連続猟奇殺人に関与し、指名手配中の 「有働さゆり」 が映っていたのだ。大型バス爆破、中学校舎放火殺人と、凶悪事件が続発。犠牲者は49人に上り、現場には必ず番号札と、さゆりの痕跡が・・・・・・・。解説漫画/松田洋子 (実業之日本社文庫)
『嗤う淑女』 『ふたたび嗤う淑女』 に続く三作目。稀代の悪女・蒲生満智留 - 実は彼女こそがこのシリーズの本来の主役なのですが、本作では (著者の別の作品) 『連続殺人鬼カエル男』 に登場するこれまた稀代の悪女・有働さゆりを中心に、悪女二人による最凶の殺人劇が展開されます。
何が最凶かといえば、二人が繰り返し仕掛ける大量殺人に、(敢えて言いますが) さほど重要な意味はないということ。中に標的らしき人物がいるにはいるのですが、その人物だけを殺すなら、もっと容易い方法がいくらでもあります。危険を冒してまで何を目的に大量殺人を繰り返すのか。その理由がわかりません。
二人は、他人の不幸や感情に対して (見事なまでに) 無関心で、人を騙し、人を蔑むことにむしろ喜びを感じています。他人の生き死にはどうでもよくて、それは自分自身についても同様で、並の人間の尺度では推し量ることが不可能な生き方をしています。
事件を追う警察は、動機がわからず、二人が抱く感情のあり様が理解できません。まさか - “退屈しのぎ“ にしている仕業だとは思いもせずに。
目次
一 日坂浩一
二 高濱幸見
三 大塚久博
四 古見千佳
五 有働さゆり
※仕組んだのは、蒲生美智留の方でした。偶然知り合った有働さゆりにとって、彼女は女神だったのか、それとも悪魔だったのでしょうか。そしてこの先、二人の関係はいつまで続くのでしょう?
それは誰にもわかりません。
この本を読んでみてください係数 85/100

◆中山 七里
1961年岐阜県生まれ。花園大学文学部国文科卒業。
作品 「切り裂きジャックの告白」「贖罪の奏鳴曲」「追憶の夜想曲」「七色の毒」「さよならドビュッシー」「闘う君の唄を」他多数
関連記事
-
-
『その先の道に消える』(中村文則)_書評という名の読書感想文
『その先の道に消える』中村 文則 朝日新聞出版 2018年10月30日第一刷 帯に - 絡まりあ
-
-
『坊さんのくるぶし/鎌倉三光寺の諸行無常な日常』(成田名璃子)_書評という名の読書感想文
『坊さんのくるぶし/鎌倉三光寺の諸行無常な日常』成田 名璃子 幻冬舎文庫 2019年2月10日初版
-
-
『樽とタタン』(中島京子)_書評という名の読書感想文
『樽とタタン』中島 京子 新潮文庫 2020年9月1日発行 今から三十年以上前、小
-
-
『最後の命』(中村文則)_書評という名の読書感想文
『最後の命』中村 文則 講談社文庫 2010年7月15日第一刷 中村文則の小説はミステリーとして
-
-
『さくら』(西加奈子)_書評という名の読書感想文
『さくら』西 加奈子 小学館 2005年3月20日初版 「この体で、また年を越すのが辛いです。ギブ
-
-
『旅する練習』(乗代雄介)_書評という名の読書感想文
『旅する練習』乗代 雄介 講談社文庫 2024年1月16日 第1刷発行 歩く、書く、蹴る -
-
-
『百瀬、こっちを向いて。』(中田永一)_書評という名の読書感想文
『百瀬、こっちを向いて。』中田 永一 祥伝社文庫 2010年9月5日初版 「人間レベル2」 の僕は
-
-
『夢見る帝国図書館』(中島京子)_書評という名の読書感想文
『夢見る帝国図書館』中島 京子 文春文庫 2022年5月10日第1刷 「ねえ、どう
-
-
『ヒポクラテスの憂鬱』(中山七里)_書評という名の読書感想文
『ヒポクラテスの憂鬱』中山 七里 祥伝社文庫 2019年6月20日初版第1刷 全て
-
-
『切願 自選ミステリー短編集』(長岡弘樹)_書評という名の読書感想文
『切願 自選ミステリー短編集』長岡 弘樹 双葉文庫 2023年3月18日第1刷発行
















