『妖の華』(誉田哲也)_書評という名の読書感想文

『妖の華』誉田 哲也 文春文庫 2022年11月25日 第13刷

妖シリーズ ヤクザ警察吸血鬼 美しく、凶暴 不死のヒロインが闇夜を駆ける!

アクション、ノワール、ロマンス 誉田ワールドの全てがここに!

ヒモのヨシキは、ヤクザの恋人に手を出して半殺しにあうところを、妖艶な女性に助けられる。同じころ、池袋では獣牙の跡が残る、完全に失血した惨殺体が発見された。その手口は、3年前の暴力団組長連続殺人と酷似していた。事件に関わったとされる女の正体とは? 誉田作品すべての原点ともなる伝奇的小説が復刊。解説・杉江松恋 (文春文庫)

シリーズ第1作を読むにあたり、まずは (物語の) 基礎的情報を。但し、できれば読む順番は第3作、第2作、そして最後にこの作品、とした方がすっきりするのではないかと。どこから読んでも面白く不都合はないのですが、物語を時系列で並べるとそういうことになります。ちなみに私は 2,3,1と読んだのですが、何の問題もありませんでした。むしろ、それがよかったのではないかと思っています。

西洋の吸血鬼伝説と日本の妖怪文化を掛け合わせたような 「闇神」 と呼ばれる存在。その闇神のはぐれ者である 「紅鈴」 という女性を主人公とした物語です。

人の生き血を啜って糧とする点や、日光を浴びれば体が焼けてしまうという点は従来の吸血鬼と同じですが、紅鈴はその圧倒的な美貌を武器にして人間社会と共存しています。また、吸血鬼に噛まれた人間は同じ吸血鬼になってしまう、という伝説がありますが、闇神は特別な方法で仲間を増やす事が出来ます。

それは “血分け“ と呼ばれる儀式で、闇神の血を人間に飲ませ、同時に闇神も人間の血を飲む、つまり体内の血液を交換することで、また新たな闇神が生まれるという仕組みです。

紅鈴が400年の生涯で血分けをしたのはたった一人、欣治という名の青年。

シリーズ1作目の 「妖の華」 では、既にこの欣治が過去の事件によって命を落としている事が語られており、2作目の 「妖の掟」 では、まだ彼が生きていた頃、紅鈴とともに現代社会を舞台に暗躍していた時代のストーリーが描かれています。

そして3作目 「妖の絆」 は、それよりも200年近く前の出来事。紅鈴が幼いころの欣治と出会い、血分けをして2人がパートナーとなるまでの物語です。(website「no+e」 より抜粋)

※この作品が著者のデビュー作です。以後に発表される多くの作品を思うと、なるほどこれが原点かと。ノワールとエンタメ、最高!!

この本を読んでみてください係数  85/100

◆誉田 哲也
1969年東京都生まれ。
学習院大学経済学部経営学科卒業。

作品 「「妖の掟」「妖の絆」「アクセス」「ストロベリーナイト」「ハング」「あなたが愛した記憶」「背中の蜘蛛」「主よ、永遠の休息を」「レイジ」他多数

関連記事

『コンテクスト・オブ・ザ・デッド』(羽田圭介)_書評という名の読書感想文

『コンテクスト・オブ・ザ・デッド』羽田 圭介 講談社文庫 2018年11月15日第一刷

記事を読む

『教誨師』 (堀川惠子)_書評という名の読書感想文

『教誨師』 堀川 惠子 講談社文庫 2025年2月10日 第8刷発行 おすすめ文庫王国201

記事を読む

『夢を売る男』(百田尚樹)_書評という名の読書感想文

『夢を売る男』百田 尚樹 幻冬舎文庫 2015年5月1日初版 『永遠の0 (ゼロ)

記事を読む

『大人は泣かないと思っていた』(寺地はるな)_書評という名の読書感想文

『大人は泣かないと思っていた』寺地 はるな 集英社文庫 2021年4月25日第1刷

記事を読む

『甘いお菓子は食べません』(田中兆子)_書評という名の読書感想文

『甘いお菓子は食べません』田中 兆子 新潮文庫 2016年10月1日発行 頼む・・・・僕はもうセッ

記事を読む

『炎上する君』(西加奈子)_書評という名の読書感想文

『炎上する君』西 加奈子 角川文庫 2012年11月25日初版 「君は戦闘にいる。恋という戦闘のさ

記事を読む

『受け月』(伊集院静)_書評という名の読書感想文

『受け月』伊集院 静 文春文庫 2023年12月20日 第18刷 追悼 伊集院静  感動の直

記事を読む

『凍てつく太陽』(葉真中顕)_書評という名の読書感想文

『凍てつく太陽』葉真中 顕 幻冬舎 2019年1月31日第2版 昭和二十年 - 終

記事を読む

『ある日 失わずにすむもの』(乙川優三郎)_書評という名の読書感想文

『ある日 失わずにすむもの』乙川 優三郎 徳間文庫 2021年12月15日初刷 こ

記事を読む

『カミサマはそういない』(深緑野分)_書評という名の読書感想文

『カミサマはそういない』深緑 野分 集英社文庫 2024年6月25日 第1刷 ミステリからS

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

『羆嵐』(吉村昭)_書評という名の読書感想文

『羆嵐』吉村 昭 新潮文庫 2026年12月20日 62刷発行

『妊娠カレンダー』(小川洋子)_書評という名の読書感想文

『妊娠カレンダー』小川 洋子 文春文庫 2020年12月20日 第2

『カフェーの帰り道』(嶋津輝)_書評という名の読書感想文

『カフェーの帰り道』嶋津 輝 東京創元社 2026年1月23日 4版

『きっと君は泣く』(山本文緒)_書評という名の読書感想文

『きっと君は泣く』山本 文緒 角川文庫 2026年1月25日 改版初

『彼女たちが隠したかったこと』(一木けい)_書評という名の読書感想文

『彼女たちが隠したかったこと』一木 けい 角川文庫 2026年1月2

→もっと見る

  • 3 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
PAGE TOP ↑