『枯木灘』(中上健次)_書評という名の読書感想文
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『枯木灘』(中上健次), 中上健次, 作家別(な行), 書評(か行)
『枯木灘』中上 健次 河出文庫 2019年10月30日 新装新版3刷発行
このいとおしい思い、この激情 - 人の寄って立つ土地と血への愛と痛みとを、自然のうちに探って、現実と物語のダイナミズムを現代に甦らす著者初の長篇。

紀州・熊野を舞台に繰り広げられる業深き血のサーガ・・・・・・・日本文学に新たな碑を打ち立てた著者初長編にして圧倒的代表作。後日談 「覇王の七日」 を新規収録。毎日出版文化賞他受賞。◎解説=柄谷行人/市川真人 (河出文庫)
新装版とはいえ、まさか文庫が平積みに置いてあるとは思いもしませんでした。若かりし頃、その評判に、勇んで読もうとした記憶だけが残っています。おそらく半分も理解できずに、中途で投げ出したのではないかと。今ならと思い、買いました。きちっと最後まで読みはしましたが、さすがに疲れました。(わかってはいましたが) 並の小説ではありません。
目 次
枯木灘
覇王の七日
著者ノートにかえて 風景の貌
登場人物系図
解説 三十歳、枯木灘へ 柄谷行人
同 覇王からの/までの距離 市川真人
1976年 『岬』 で第74回芥川賞を受賞、戦後生まれで初めての芥川賞作家となった。紀伊半島 (紀伊) を舞台にした数々の小説を描き、ひとつの血族と 「路地」 (中上は被差別部落の出身で、自らの生まれた部落を 「路地」 と名付けた) のなかの共同体を中心にした 「紀州熊野サーガ」 とよばれる独自の土着的な作品世界を作り上げた。(中上健次 - Wikipedia)
もしも。もしも私がこの物語の主人公、秋幸だったとしたら・・・。
母は、男と交わることで生きながらえてきたのでした。その間、何人もの子を産み、子を堕ろし、最後は秋幸だけが母のもとに残ります。母にはそうする理由がありました。しかし秋幸はそれを善しとしません。母を嫌い、母に自分を産ませた実父を強く恨んでいます。
もしも。もしも私がこの物語の主人公の秋幸だったとしたら、絡み合い交りあう血縁の渦を何とするでしょう。逃れようのない運命に、何を差し出し、何を請うのでしょう。
そんなことを思いながら読みました。小説のあとにある 「著者ノートにかえて 風景の貌」 は、ぜひとも読んでください。柄谷行人氏の解説は難解で、(私ごときには) とても手に負えません。
この本を読んでみてください係数 85/100

◆中上 健次
1946年和歌山県新宮市生まれ。92年、46歳で没。
和歌山県立新宮高等学校卒業。妻は作家の紀和鏡、長女は作家の中上紀、次女は陶芸家で作家の中上菜穂。
作品 「鳳仙花」「地の果て至上の時」「紀伊物語」「岬」「十九歳の地図」「十九歳のジェイコブ」「十八歳、海へ」「千年の愉楽」他多数
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