『間宵の母』(歌野晶午)_書評という名の読書感想文

公開日: : 最終更新日:2024/01/06 『間宵の母』(歌野晶午), 作家別(あ行), 書評(ま行), 歌野晶午

『間宵の母』歌野 晶午 双葉文庫 2022年9月11日第1刷発行

恐怖のあまり笑いが込み上げる著者最恐のホラー・ミステリー!! ブックスタジオのバイヤーが選んだ 一気読み大賞第1位

小学三年生の詩穂と紗江子は親友同士だったが、紗江子の母の再婚相手である義父と詩穂の母が失踪、駆け落ちと見られていた。その日から、紗江子の母の精神状態は普通ではなくなる。詩穂も父親からDVを受けるようになり、児童養護施設に入れられてしまう。その後、二人は地獄のような人生を送ることになるのだが、実は驚くべき真実が隠されていた。得体の知れない恐怖が襲う、著者最恐のホラー・ミステリー! (双葉文庫)

さあ、読めるものなら読んでみろ、という感じ。いずれ悪夢は消え去り、いつしか話は現実世界へ戻るであろうと期待しつつ読み進めるも、いつになってもそんな気配は毛ほどもなくて、人を変え時を経て、この世の地獄は切れまなく続いていきます。

人が死に、人が不幸になります。果てしなく、陰に狂気が見え隠れします。

4つの章から成るこの作品、各章で語り手となる人物は異なるが、話の中心には間宵家の母子三代が据えられている。

数十年に及ぶ長い物語の引き金を引くのは、間宵紗江子の同級生である西崎詩穂だ。

問題は、あなたが読もうとするかどうかです。但し、”まっとうな” 何かを期待してはいけません。最後の最後まで、それは続きます。

人間の悪意と狂気と暴力性が好物なら絶対一読の価値あり。そして読後、タイトルに込められた意味に気づくと、ますます背筋が寒くなることだろう。

 ああ、本当に嫌だ、嫌だ……..。(太字部分はwebサイト 「ダ・ヴィンチ」 より)

この本を読んでみてください係数  80/100

◆歌野 晶午
1961年千葉県生まれ。
東京農工大学農学部卒業。

作品 「長い家の殺人」「葉桜の季節に君を想うということ」「密室殺人ゲーム2.0」他多数

関連記事

『誰? 』(明野照葉)_書評という名の読書感想文

『誰? 』明野 照葉 徳間文庫 2020年8月15日初刷 嵌められた、と気づいた時

記事を読む

『赤へ』(井上荒野)_書評という名の読書感想文

『赤へ』井上 荒野 祥伝社 2016年6月20日初版 ふいに思い知る。すぐそこにあることに。時に静

記事を読む

『EPITAPH東京』(恩田陸)_書評という名の読書感想文

『EPITAPH東京』恩田 陸 朝日文庫 2018年4月30日第一刷 東日本大震災を経て、刻々と変

記事を読む

『でえれえ、やっちもねえ』(岩井志麻子)_書評という名の読書感想文

『でえれえ、やっちもねえ』岩井 志麻子 角川ホラー文庫 2021年6月25日初版

記事を読む

『森は知っている』(吉田修一)_噂の 『太陽は動かない』 の前日譚

『森は知っている』吉田 修一 幻冬舎文庫 2017年8月5日初版 南の島で知子ばあ

記事を読む

『悪いものが、来ませんように』(芦沢央)_書評という名の読書感想文

『悪いものが、来ませんように』芦沢 央 角川文庫 2016年8月25日発行 大志の平らな胸に、紗

記事を読む

『ナオミとカナコ』(奥田英朗)_書評という名の読書感想文

『ナオミとカナコ』奥田 英朗 幻冬舎文庫 2017年4月15日初版 望まない職場で憂鬱な日々を送る

記事を読む

『暗いところで待ち合わせ』(乙一)_書評という名の読書感想文

『暗いところで待ち合わせ』 乙一 幻冬舎文庫 2002年4月25日初版 視力をなくし、独り静か

記事を読む

『ぼくがきみを殺すまで』(あさのあつこ)_書評という名の読書感想文

『ぼくがきみを殺すまで』あさの あつこ 朝日文庫 2021年3月30日第1刷 ベル

記事を読む

『村上龍映画小説集』(村上龍)_書評という名の読書感想文

『村上龍映画小説集』村上 龍 講談社 1995年6月30日第一刷 この小説は『69 sixt

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

『颶風の王』(河﨑秋子)_書評という名の読書感想文

『颶風の王』河﨑 秋子 角川文庫 2024年1月25日 8刷発行

『パッキパキ北京』(綿矢りさ)_書評という名の読書感想文

『パッキパキ北京』綿矢 りさ 集英社 2023年12月10日 第1刷

『山亭ミアキス』(古内一絵)_書評という名の読書感想文

『山亭ミアキス』古内 一絵 角川文庫 2024年1月25日 初版発行

『旅する練習』(乗代雄介)_書評という名の読書感想文

『旅する練習』乗代 雄介 講談社文庫 2024年1月16日 第1刷発

『あなたの燃える左手で』(朝比奈秋)_書評という名の読書感想文

『あなたの燃える左手で』朝比奈 秋 河出書房新社 2023年12月1

→もっと見る

  • 3 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
PAGE TOP ↑