『カラスの親指』(道尾秀介)_by rule of CROW’s thumb
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最終更新日:2024/01/08
『カラスの親指』(道尾秀介), 作家別(ま行), 書評(か行), 道尾秀介
『カラスの親指』道尾 秀介 講談社文庫 2019年9月27日第28刷

人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。やがて同居人は増え、5人と1匹に。「他人同士」 の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。各々の人生を賭け、彼らが企てた大計画とは? 息もつかせぬ驚愕の逆転劇、そして感動の結末。道尾秀介の真骨頂がここに! 第62回日本推理作家協会賞受賞作。(講談社文庫)
[あらすじ]
タケこと武沢竹夫はやさぐれたベテランの詐欺師。元はまっとうなサラリーマンだったが、肝臓を悪くした妻が病死。その後、闇金の取り立てで職を失う。なし崩しに借金取りにさせられ、ヒグチというヤクザに追い込みを命じられる。良心の呵責から経理資料を警察に持ち込んだ結果、ヒグチたちは逮捕されたが、タケは自宅を放火され、幼い娘を失う。なにもかも失ったタケは自殺を図ろうとするも死にきれず、復讐を恐れ逃げ回る生活を余儀なくされていた。
そんなとき、あることがきっかけで男 (テツ) に出会う。自分も追い詰められた過去を持つタケは、テツを拾い、二人はコンビを組んで仕事を重ねる。ある日ラーメン屋で食事をしていた二人は、住んでいるアパートが火事になったことを知り慌てて逃げ出す。
タケとテツは綾瀬に一軒家を借りて新生活を始めた。上野での一仕事のあと、二人はスリに失敗した少女 (まひろ) を見かけて逃してやる。その後、まひろから生活に窮していることを聞かされたタケは、一万円札を渡し、困ったことがあればウチに来いと誘う。
ある朝、タケがドアを開けると、前にはボストンバッグを持ったまひろがいた。まひろを歓迎した二人は、その後、家前にいた仔猫 (トサカ) とも暮らすようになる。さらにはまひろの計らいにより美人だが常識も生活力もない姉のやひろ、やひろの恋人で図体はデカいが気が小さい、貫太郎という失業中の男とも出会う。
貧乏人同士助け合おうというタケの提案で、5人と一匹は共同生活を始める。
家族のように暮らす5人と一匹だが、平和な日々は長くは続かなかった。怪しげな車が様子を伺うようになり、ボヤ騒ぎが起こる。そして、「トサカ」 が姿を消し、変わり果てた姿で発見される。
5人はヒグチへの復讐を企てる。だが、その後明らかになったのは、思いも寄らないとんでもない事実だった・・・・・・・。(wikipedia)
他人同士なのに、
詐欺師なのに、
なんで泣けるんだろう。
登場人物たちが過去に見た地獄 - 逃れられない運命と諦めるしかない人生の先に、果たして救いはあるのだろうか。想像すればするほど泣けてくる。シリーズ60万部突破の道尾秀介代表作。
この本を読んでみてください係数 85/100

◆道尾 秀介
1975年兵庫県芦屋市生まれ。
玉川大学農学部卒業。
作品 「手首から先」「背の眼」「向日葵の咲かない夏」「シャドウ」「ラットマン」「龍神の雨」「光媒の花」「月と蟹」他多数
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