『すべて忘れてしまうから』(燃え殻)_書評という名の読書感想文

公開日: : 最終更新日:2024/01/08 『すべて忘れてしまうから』(燃え殻), 作家別(ま行), 書評(さ行), 燃え殻

『すべて忘れてしまうから』燃え殻 扶桑社 2020年8月10日第3刷

ベストセラー 『ボクたちはみんな大人になれなかった』 著者による3年ぶりの新刊

ボクたちの人生は、なぜか忘れられなかった小さな思い出の集合体でできている

いまはもうない喫茶店、帰りがけの駅のホーム、予定のなかったクリスマスイブ、入院した病院の天井、安いビジネスホテルの廊下、知らない街のクラブ、朝のコンビニの最後尾、新幹線こだまの自由席、民宿の窓でふくらむ白いカーテン、居場所のないパーティー会場 --。

ふとした瞬間におとずれる、もう戻れない日々との再会。ときに狼狽え、ときに心揺さぶられながら、すべて忘れてしまう日常にささやかな抵抗を試みる 「断片的回顧録」。(扶桑社)

・あの時 “無かったこと” にした自分の気持ちを届けてもらいました - おかざき真里 (漫画家)
・日記のように書かれた個人的な記憶は、形を変えて私の中にも潜んでいる気がしました - 玉城ティナ (女優)

はじめに
人生のほとんどの時間を “ままならない” で過ごしてきた。
学歴は金さえ振り込めば全員合格できる広告の専門学校だし、コンビニのバイトに日本人というアドバンテージを活かせず落ちたことも二度ある。その後は自分以外はほぼブラジル人というエクレア製造工場で働き、今の会社にはバイトで潜り込んで、そのまま正社員になった。

最初のページの、ここだけ読んですぐに買いました。タイトルも、著者の名前も、よく確かめもせずに。

燃え殻・・・・!? 燃え殻、って何ですか? 誰かのことですか?・・・・・・・。何も知りません。思い当たることがありません。

けれども。

読めば何かにぶち当たる。刺さる何かがきっとある。そんな予感がありました。

そしてそれはその通りになりました。『ボクたちはみんな大人になれなかった』 がどうしても読みたくなったので、これから買いに行こうと思います。ベストセラーとやらを、読んでみようではありませんか。

この本を読んでみてください係数 85/100

◆燃え殻
1973年神奈川県生まれ。
テレビ美術制作会社 企画、小説家、エッセイスト。

作品 2017年6月30日発売、小説 『ボクたちはみんな大人になれなかった』 がベストセラーになる。それ以降、多くの媒体で作品を発表している。

関連記事

『地獄への近道』(逢坂剛)_書評という名の読書感想文

『地獄への近道』逢坂 剛 集英社文庫 2021年5月25日第1刷 お馴染み御茶ノ水

記事を読む

『猫を棄てる』(村上春樹)_父親について語るとき

『猫を棄てる 父親について語るとき』村上 春樹 文藝春秋 2020年4月25日第1刷

記事を読む

『白い夏の墓標』(帚木蓬生)_書評という名の読書感想文

『白い夏の墓標』帚木 蓬生 新潮文庫 2023年7月10日25刷 (昭和58年1月25日発行)

記事を読む

『獅子吼』(浅田次郎)_書評という名の読書感想文

『獅子吼』浅田 次郎 文春文庫 2018年12月10日第一刷 けっして瞋(いか)る

記事を読む

『家族の言い訳』(森浩美)_書評という名の読書感想文

『家族の言い訳』森 浩美 双葉文庫 2018年12月17日36刷 帯に大きく - 上

記事を読む

『ジェントルマン』(山田詠美)_書評という名の読書感想文

『ジェントルマン』山田 詠美 講談社文庫 2014年7月15日第一刷 第65回 野間文芸賞受賞

記事を読む

『執着者』(櫛木理宇)_書評という名の読書感想文

『執着者』櫛木 理宇 創元推理文庫 2024年1月12日 初版  すべての油断が地獄の始まり

記事を読む

『殺人鬼フジコの衝動』(真梨幸子)_書評という名の読書感想文

『殺人鬼フジコの衝動』真梨 幸子 徳間文庫 2011年5月15日初版 小学5年生、11歳の少

記事を読む

『最悪』(奥田英朗)_書評という名の読書感想文

『最悪』奥田 英朗 講談社 1999年2月18日第一刷 「最悪」の状況にハマってしまう3名の人物

記事を読む

『太陽のパスタ、豆のスープ』(宮下奈都)_書評という名の読書感想文

『太陽のパスタ、豆のスープ』宮下 奈都 集英社文庫 2013年1月25日第一刷 結婚式直前に突然婚

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

『滅私』(羽田圭介)_書評という名の読書感想文

『滅私』羽田 圭介 新潮文庫 2024年8月1日 発行 「楽っ

『あめりかむら』(石田千)_書評という名の読書感想文

『あめりかむら』石田 千 新潮文庫 2024年8月1日 発行

『インドラネット』(桐野夏生)_書評という名の読書感想文

『インドラネット』桐野 夏生 角川文庫 2024年7月25日 初版発

『ブルース Red 』(桜木紫乃)_書評という名の読書感想文

『ブルース Red 』桜木 紫乃 文春文庫 2024年8月10日 第

『境界線』(中山七里)_書評という名の読書感想文

『境界線』中山 七里 宝島社文庫 2024年8月19日 第1刷発行

→もっと見る

  • 3 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
PAGE TOP ↑