『すべて忘れてしまうから』(燃え殻)_書評という名の読書感想文
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『すべて忘れてしまうから』(燃え殻), 作家別(ま行), 書評(さ行), 燃え殻
『すべて忘れてしまうから』燃え殻 扶桑社 2020年8月10日第3刷
ベストセラー 『ボクたちはみんな大人になれなかった』 著者による3年ぶりの新刊
ボクたちの人生は、なぜか忘れられなかった小さな思い出の集合体でできている
いまはもうない喫茶店、帰りがけの駅のホーム、予定のなかったクリスマスイブ、入院した病院の天井、安いビジネスホテルの廊下、知らない街のクラブ、朝のコンビニの最後尾、新幹線こだまの自由席、民宿の窓でふくらむ白いカーテン、居場所のないパーティー会場 --。
ふとした瞬間におとずれる、もう戻れない日々との再会。ときに狼狽え、ときに心揺さぶられながら、すべて忘れてしまう日常にささやかな抵抗を試みる 「断片的回顧録」。(扶桑社)
・あの時 “無かったこと” にした自分の気持ちを届けてもらいました - おかざき真里 (漫画家)
・日記のように書かれた個人的な記憶は、形を変えて私の中にも潜んでいる気がしました - 玉城ティナ (女優)
はじめに
人生のほとんどの時間を “ままならない” で過ごしてきた。
学歴は金さえ振り込めば全員合格できる広告の専門学校だし、コンビニのバイトに日本人というアドバンテージを活かせず落ちたことも二度ある。その後は自分以外はほぼブラジル人というエクレア製造工場で働き、今の会社にはバイトで潜り込んで、そのまま正社員になった。
最初のページの、ここだけ読んですぐに買いました。タイトルも、著者の名前も、よく確かめもせずに。
燃え殻・・・・!? 燃え殻、って何ですか? 誰かのことですか?・・・・・・・。何も知りません。思い当たることがありません。
けれども。
読めば何かにぶち当たる。刺さる何かがきっとある。そんな予感がありました。
そしてそれはその通りになりました。『ボクたちはみんな大人になれなかった』 がどうしても読みたくなったので、これから買いに行こうと思います。ベストセラーとやらを、読んでみようではありませんか。
この本を読んでみてください係数 85/100
◆燃え殻
1973年神奈川県生まれ。
テレビ美術制作会社 企画、小説家、エッセイスト。
作品 2017年6月30日発売、小説 『ボクたちはみんな大人になれなかった』 がベストセラーになる。それ以降、多くの媒体で作品を発表している。
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