『この本を盗む者は』(深緑野分)_書評という名の読書感想文

『この本を盗む者は』深緑 野分 角川文庫 2025年11月5日 8版発行

2021年 本屋大賞ノミネート作

盗まれた真実は、物語の中に - 2人の少女は、物語の世界を冒険する!

“本の町“ 読長町に住み、書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫 「御倉館」 の管理人を務めているが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれたことで本の呪い (ブック・カース) が発動し、町は物語の世界に姿を変えてしまう。泥棒を捕まえない限り町が元に戻らないと知った深冬は、不思議な少女・真白とともに様々な物語の世界を冒険していく・・・・・・・。初めて物語に没頭したときの喜びが甦る、胸躍るファンタジー。(角川文庫)

目 次
第一話 魔術的現実主義の旗に追われる
第二話 固ゆで玉子に閉じ込められる
第三話 幻想と蒸気の靄に包まれる
第四話 寂しい街に取り残される
第五話 真実を知る羽目になる

- ある日、御倉館を訪れた深冬は、真っ白い髪をした少女に出会う。その名も真白。真白は、御倉館の本が盗まれたために呪いが発動し、町全体が物語の世界に変わってしまったと告げる。泥棒は物語化した町に閉じ込められている。その泥棒を捕まえるしか、呪いを解く方法はない。はじめはそんな荒唐無稽な話は信じなかった深冬だが、御倉館から一歩外へ出ると、果たして町は、月がウィンクをし、真珠の雨が降るマジック・リアリズムの世界に変わっていた・・・・・・・。

こうして深冬は、御倉館から本が盗まれるたびに、「魔術的現実主義」 の世界、「固ゆで玉子」 の世界、「幻想と蒸気」 の世界、「寂しい街」 の世界 - といった具合に、さまざまな 「物語の檻」 に閉じ込められることになる。

次々と姿を変える町の描写が、この本の読みどころのひとつだ。夜空が 「巨大な黒猫の体」 である魔術的な世界や、「悪魔とは踊り慣れているんだ」 などというセリフを吐いて 「どぶ臭い側溝にシケモクを捨てる」 探偵が闊歩するハードボイルドの世界、白い気体をもうもうと吐き出し、巨大な歯車が回転する工場が屹立するスチームパンクふうの世界などが、どれもそれぞれの文学ジャンルの文体で鮮やかに描き分けられている。(解説より)

マジック・リアリズムとは、日常にあるものが日常にないものと融合した作品に対して使われる芸術表現技法で、主に小説や美術に見られます。(Wikipedia参照)

スチームパンクとは、「スチーム (蒸気機関)」 と 「サイバーパンク」 を組み合わせた造語。蒸気機関が主要な動力源として普及している世界を舞台にしたSFジャンルのひとつ。架空の蒸気機関や、人体と機械を融合させた表現も見られます。(minneより)

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大丈夫ですか? ついて来れてますか。まあこんな感じの話であるわけですが、ここまで読んで、「本作を読もう」 と思ったあなたは偉い。私は・・・・結果こうなることがわかっていながら、それでも (意地で) 無理やり読み終えたのでした。

しかし、そんな読書がいいはずはありません。結局、本屋大賞にノミネートされた意味も、8版も売れている理由もわからぬままに本を閉じました。深緑野分、三連敗です。以前ブログに書いた私の感想を、今一度載せておこうと思います。こうしか書くことがありません。

◆『カミサマはそういないを読んだときの感想

以前私が 『オーブランの少女』 を読んだあとの感想が、以下のようなものです。

「どこでどんなふうに育てば、こんな作家が “できる“ のか? 興味があって、“真似して“ 書いた? いやいや、そんなことだけではこんな話は書けません。人には言えない特別な、何か秘策があるに違いありません」

この本を読み、同じことをまた思いました。読んだあなたが、面白いと思うかどうかはわかりません。何だかややこしく、途中で投げ出してしまうかもしれません。反対に、中に “病みつき“ になる人がいたりして・・・・・。 私にはわかりません。

この本を読んでみてください係数 80/100

◆深緑 野分
1983年神奈川県生まれ。
神奈川県立海老名高等学校卒業。

作品 「オーブランの少女」「戦場のコックたち」「分かれ道ノストラダムス」「ベルリンは晴れているか」「カミサマはそういない」他

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