『片想い』(東野圭吾)_書評という名の読書感想文

『片想い』東野 圭吾 文春文庫 2004年8月10日第一刷


片想い (文春文庫)

十年ぶりに再会した美月は、男の姿をしていた。彼女から、殺人を告白された哲朗は、美月の親友である妻とともに、彼女をかくまうが・・・・・・。十年という歳月は、かつての仲間たちを、そして自分を、変えてしまったのだろうか。過ぎ去った青春の日々を裏切るまいとする仲間たちを描いた、傑作長篇ミステリー。(文春文庫)

ドラマ化決定!  主演 中谷美紀 WOWOWにて全6話放送 予定は2017年秋!!

- ということで久方ぶりに東野圭吾のミステリーを読みました。文庫で614ページあります。途中で飽きるかも・・・・と思いながら読み出したのですが、なんのなんの、読むとやっぱり面白い。読み易く、いくら読んでも疲れません。

後半はちょっとごちゃごちゃして分かりづらいところがあるかもしれません。でも、大丈夫。よくよく読むと、その「ややこしさ」こそがこの小説の核心であるのがわかります。

いつも思うのですが、この人の本は決して期待を裏切りません。常に、普通に面白い。面白いには違いないのですが、(最近はちょっと)普通に過ぎるように感じられ、以前ほどには読みたいと思わなくなっています。

若い頃にはよく読んでいました。おそらく本棚にはこの人の本が50冊近くはあると思います。それだけ読んで言うのもナンですが、私にとって東野圭吾は「特に読みたいと思うものがない」ときに買う本で、それ以上でも以下でもなく、今もそれは変わりません。

20歳の頃からの習慣で、今でも私は週に二回は本屋へ行きます。学生の頃は(お金がないので)もっぱら文庫本、就職して自由なお金ができてからは(それまでの鬱憤を晴らすように)一転して単行本(できる限り初版のもの)ばかりを買うようになりました。

行くと、必ず何かは買います。基本、買わずに帰ることはありません。平均して2冊は買っていたと思います。当然ですが、行く度々に好きな作家の読みたい本が都合よくあるわけではありません。週に二回も行けば、本の並びにほとんど変化はありません。

中に新刊があるにはあっても、読みたいと思う本とは限りません。それでも、何かは買って帰りたい。そんな時私は、それまでは今ひとつ買う気になれなかったもの、そんな時でもないとまず買わないようなものの中から無理に選んで何冊かを買います。

新書や評論、ノンフィクションなどを含め、そんな時私は東野圭吾の本を買います。迷うことは迷いながら、まことに失礼な動機ではありますが、「まあいいか」という感じでこの人の本を買います。

私にとって東野圭吾の本は、いわば「代打」の一番手みたいなものです。何を喰うかが定まらない昼食時、思いあぐねて、結局いつも行く定食屋へ行き、なれた「日替わりメニュー」を喰うようなものなのです。

そうそう。話は変わりますが、そういえば今朝、Yahooニュースにこんな記事が載っていました。(7/18 5:28掲載)

性同一性障害を公表していた元WBC女子フライ級王者の真道ゴー(30)=グリーンツダ=が、性別適合手術と戸籍変更を終えて男性となり、7年間交際した一般女性・あゆかさん(33)と結婚することが17日、分かった。今月上旬に挙式を済ませ、真道の誕生日の18日に婚姻届を提出する。体が男性となった真道は、近日中に日本ボクシングコミッション(JBC)へ引退届を提出する。(スポーツ報知)

こういった記事が当たり前のようになった今、改めて、この本がドラマになるのがわかるような気がします。

※この小説の単行本は2001年3月30日、文藝春秋から刊行されています。私は、その初版本を買っています。

 

この本を読んでみてください係数 80/100


片想い (文春文庫)

◆東野 圭吾
1958年大阪府大阪市生野区生まれ。
大阪府立大学工学部電気工学科卒業。

作品 「放課後」「秘密」「容疑者Xの献身」「ナミヤ雑貨店の奇蹟」「夢幻花」「祈りの幕が下りる時」「白夜行」他多数

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