『坂の上の赤い屋根』(真梨幸子)_書評という名の読書感想文

公開日: : 最終更新日:2024/04/07 『坂の上の赤い屋根』(真梨幸子), 作家別(ま行), 書評(さ行), 真梨幸子

『坂の上の赤い屋根』真梨 幸子 徳間文庫 2022年7月15日初刷

二度読み必至!! 悪夢の高低差ミステリー 血まみれなのに読後感爽快!
愛、愛、愛、愛? くそったれ!

実の娘とその恋人によって、医師夫婦が殺害された。身体中を切り刻み、コンクリート詰めにするという身の毛もよだつ残虐なものだった。世間に激震が走った文京区両親強盗殺人事件から十八年後。事件をモチーフにした小説が週刊誌で連載されることになる。そこで明らかになる衝撃の事実とは? 真梨ワールド炸裂! 極上のイヤミス長篇。あなたは騙される快感を知る。(徳間文庫)

文京区両親強盗殺人事件の概要
文京区両親強盗殺人事件は、2000年に起きた東京都文京区に住む医師夫婦が男女二人組に殺害された事件。男女のうち女性は、殺害された夫婦の実の娘Sで、名門女子校に通っていた当時十八歳。

2000年6月12日、東京都文京区御殿町に住む医師の青田昌也さん (48) と、同じく医師で妻の早智子さん (47) が、自宅近くのマンション建設予定の空地で惨殺死体で発見された。夫婦の死因はともに刺傷による失血死で、全身をメッタ刺しにされた後、コンクリート詰めにされた。

同日夜、捜査本部は殺害された青田夫妻の娘S (18) と、Sの交際相手の大渕秀行 (21) を逮捕した。

二人は生活費を得るために、夫婦殺害を計画、殺害後、現金50数万円の他、通帳、家の権利書などを奪っていた。
翌年4月より裁判が行われ、どちらが主犯か、また両親の殺害に直接手を下したのはどちらなのかが争点となった。

大渕秀行とSの主張はことごとく食い違い、大渕秀行はSが主導したとして譲らず、Sも大渕秀行に洗脳されていただけで自分は両親を直接殺害していないという主張を覆すことはなかった。

2005年、東京地方裁判所は大渕秀行に死刑を、Sに無期懲役を言い渡した。大渕秀行とSは控訴、さらに上告もしたがいずれも棄却され、2015年に両者とも刑が確定した。(「三章 連載開始」 より)

大渕秀行は、なぜ、あのような犯行に走ったのか。そして、その共犯者であるあの女 は、今、なにを思うのか。

2018年9月某日。この事件について、かねてより温めていた 「ある計画」 を実行しようと動き出した人物がいます。そして、計画を実行するには関係者たちの証言が必要だ、と考えます。そして 「わたし」 が最初の証言者として選んだのは 「法廷画家」 でした。その人物 - 法廷画家だった鈴木礼子は後に獄中結婚し、死刑囚・大渕秀行の妻になります。

この本を読んでみてください係数 80/100

◆真梨 幸子
1964年宮崎県生まれ。
多摩芸術学園映画科(現、多摩芸術大学映像演劇学科)卒業。

作品 「孤虫症」「えんじ色心中」「殺人鬼フジコの衝動」「深く深く、砂に埋めて」「女ともだち」「あの女」「みんな邪魔」「人生相談」「お引っ越し」他多数

関連記事

『死神の浮力』(伊坂幸太郎)_書評という名の読書感想文

『死神の浮力』伊坂 幸太郎 文春文庫 2025年2月10日 新装版第1刷 累計150万部大人

記事を読む

『誰かが見ている』(宮西真冬)_書評という名の読書感想文

『誰かが見ている』宮西 真冬 講談社文庫 2021年2月16日第1刷 問題児の夏紀

記事を読む

『チヨ子』(宮部みゆき)_書評という名の読書感想文

『チヨ子』宮部 みゆき 光文社文庫 2011年7月20日初版 五年前に使われたきりであちこち古びて

記事を読む

『猫を棄てる』(村上春樹)_父親について語るとき

『猫を棄てる 父親について語るとき』村上 春樹 文藝春秋 2020年4月25日第1刷

記事を読む

『17歳のうた』(坂井希久子)_書評という名の読書感想文

『17歳のうた』坂井 希久子 文春文庫 2019年5月10日第1刷 地方都市で生きる

記事を読む

『姑の遺品整理は、迷惑です』(垣谷美雨)_書評という名の読書感想文

『姑の遺品整理は、迷惑です』垣谷 美雨 双葉文庫 2022年4月17日第1刷 重く

記事を読む

『異類婚姻譚』(本谷有希子)_書評という名の読書感想文

『異類婚姻譚』本谷 有希子 講談社 2016年1月20日初版 子供もなく職にも就かず、安楽な結

記事を読む

『三の隣は五号室』(長嶋有)_あるアパートの一室のあるある物語

『三の隣は五号室』長嶋 有 中公文庫 2019年12月25日初版 傷心のOLがいた

記事を読む

『死ねばいいのに』(京極夏彦)_書評という名の読書感想文

『死ねばいいのに』京極 夏彦 講談社 2010年5月15日初版 3ヶ月前、マンションの一室でアサミ

記事を読む

『鈴木ごっこ』(木下半太)_書評という名の読書感想文

『鈴木ごっこ』木下 半太 幻冬舎文庫 2015年6月10日初版 世田谷区のある空き家にわけあり

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

『羆嵐』(吉村昭)_書評という名の読書感想文

『羆嵐』吉村 昭 新潮文庫 2026年12月20日 62刷発行

『妊娠カレンダー』(小川洋子)_書評という名の読書感想文

『妊娠カレンダー』小川 洋子 文春文庫 2020年12月20日 第2

『カフェーの帰り道』(嶋津輝)_書評という名の読書感想文

『カフェーの帰り道』嶋津 輝 東京創元社 2026年1月23日 4版

『きっと君は泣く』(山本文緒)_書評という名の読書感想文

『きっと君は泣く』山本 文緒 角川文庫 2026年1月25日 改版初

『彼女たちが隠したかったこと』(一木けい)_書評という名の読書感想文

『彼女たちが隠したかったこと』一木 けい 角川文庫 2026年1月2

→もっと見る

  • 3 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
PAGE TOP ↑